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インタビュー

杉咲花   (すぎさき はな)

味の素「Cook Do」のCMで、美味しそうに料理を頬張る女の子といえば、ピンと来るだろうか。新人女優・杉咲花。ドラマ『妖怪人間ベム』でベロが憧れる人間の女の子を演じ、4月から放送中のオダギリジョー主演のドラマ『家族のうた』では、オダギリ演じる早川正義の娘を演じる。クールで大人びた役どころと一転、杉咲自身は天真爛漫な14歳の女の子。「現場が凄く楽しい!」と笑顔で話す、彼女の魅力に迫る。

撮影/浦田大作  文/池上愛

プロフィール 杉咲花(すぎさき はな)


1997年10月2日生まれ、東京都出身。出演作に、ドラマ『桜蘭高校ホスト部』『妖怪人間ベム』『13歳のハローワーク』第2話、映画『桜蘭高校ホスト部』等がある。放送中のCM「味の素『Cook Do』」に出演中。
http://www.ken-on.co.jp/hana/

――『家族のうた』の台本を読んだ感想を教えて下さい。

「早川正義(オダギリジョー)って凄くダメな人なんですが、愛嬌があって面白い人だなと思いました。ストーリーは毎回色んなことが起こるんですが、1話が終わるごとにほんわかした気持ちになるので、そこが素敵だと思います」


――オダギリさんと会っての印象はどうでしたか?

「オダギリさんってどんな人なんだろう? と考えたことがなかったので不思議な気持ちでした(笑)。だって、オダギリさんと会うこと自体がびっくりなんですから! 実際にお会いしてお話しさせて頂いたんですが、凄く優しくて素敵な方でした。オダギリさんだけじゃなくて、共演者の方はみなさん優しくて面白くて、大好きです!」


――松野美月役の大森絢音ちゃんと、松野陸役の藤本哉汰君とも凄く仲がいいみたいですね。ドラマの公式ブログを読みましたけど、みんなでエイプリールフール新聞を作ったとか。

「そうなんです。私が一番年上なんですけど、最初に会った時は一番緊張していたと思います。兄妹もいないし、年下の子とどう接すればいいのかなって不安だったんです。そしたら絢音ちゃんがお菓子を持って来てくれて。そこからどんどん打ち解けていきました。最初は“いいんですか? ありがとうございます!”みたいな距離のある感じだったんですけど(笑)。今は凄く仲良しです」


――絢音ちゃんと哉汰君は、どんな人ですか?

「絢音ちゃんは、凄く頭の回転が早くて。私の知らない言葉も知ってるんです。だけど、凄く子供っぽくて年下だなぁ~と感じる一面もあります。哉汰君は、ドラマの中で変顔をするシーンがあるんですけど、撮影の合間もいつも変顔してるんです(笑)。凄く面白いです」


――撮影の合間は3人でどんなことをしているんですか?

「常に3人で行動して、いつもお喋りしてます。お昼休憩は絶対3人でご飯を食べるし、控室でも3人並んでお喋りしてるし……常に一緒にいてお喋りしているので、何を話したのかはあまり憶えていません(笑)」


――杉咲さんの演じる、大澤こころという役柄について教えて下さい。

「クールで、人に頼ることが苦手で、とても独立心がある女の子です。ひとりでいる時は、影のある表情を出すんですけど、みんなといる時は、淋しさを我慢して強がってる感じです。控え目な女の子だなと思いました」


――自分と性格が似てるなと思うことはありますか?

「こころちゃんは人に頼ることが苦手なんですけど、それは似ているかもしれないです。私も自分でやりたいと思ったことは、人に任せるんじゃなくて、自分でなんでもやりたいほうです」


――杉咲さんはどんな性格ですか?

「頑固だね~ってよく言われます。親からも言われるし、マネージャーさんからも言われます。自分では全然わからないんですけど(笑)」


――兄妹がいないと言ってましたけど、自分が体験したことのない役を演じる時は、どういう風に臨みますか?

「今回は、こころちゃんってどんな女の子なんだろうって考えることから始めました。台本に書かれていないけど、学校ではこんなことをしているとか、想像してノートに書き出します。それを撮影の前日に読み返して、頭の中で整理してから撮影に臨むようにしています。自分が体験したことのないものを演じるのは難しいけれど、凄く楽しいし勉強になります」


――1話では、こころちゃんはどういう子なのか全くわからなかったけれど、2話でどんどん明らかになっていきますね。

「はい。こころちゃんはお母さんが帰って来なくなってしまうんです。だから色んなことを我慢しちゃうんじゃないかなと思いました。でも正義は、こころちゃんが悩んでいることを見抜く。そのことで、こころちゃんもどんどん心を開いていくんだと思います」


――主演のオダギリさんの演技を間近に見てどうでしたか?

「あるシーンで私がニコって笑うんですけど、そのあとにオダギリさんが“ニコっじゃねぇよ!”って言ったんです。そんなセリフは台本になかったので、凄い! と思いました。まだ自分には出来ないし、みなさんの演技を見ていると凄く勉強になります。撮影が終わるたびに、今日は勉強になったな~っていつも思うんですよ。自分がこのドラマのレギュラーになれたことが凄く嬉しくて・・・まだ撮影が始まったばかりなのに、もう最終回の事を考えると淋しくなってきます(笑)」


――自分の出演作は、テレビできちんと見ますか?

「何回も見返します」


――どういうところに注目して見ていますか?

「自分の演技もそうなんですけど、繰り返し見る時は、自分以外の役者さんの演技に注目します。台本と照らし合わせながら、台本にないセリフや動作をしている人を見ると、凄いなぁっていつも思います。ここでこうしたんだ! とか、自分が出ていないシーンを見ながら勉強しています」


――撮影に臨む前は、共演者の方々とセリフの練習はしますか?

「練習しようって言ってするんじゃなくて、誰かがセリフを言いだしてみんなが合わせていくことが多いです。3話で私が喧嘩をするシーンがあるんですが、凄く不安でセリフの練習をしてたら、みんなが協力して下さいました。でも私が何度も何度も繰り返すので、最後にはみんなに“もういいよ花ちゃん”って(笑)」


――喧嘩のシーンがあるんですね。

「美月との喧嘩のシーンが多いんです。仲がいいから“喧嘩したくないね~”って毎回話しています。だから、シーンが終わったらふたりで笑顔になるんです(笑)」


――このドラマは家族がテーマになっていますが、杉咲さんの家族のお話も聞かせて下さい。

「凄く仲がいいです。母とは一緒に買い物に行くし、手を繋いだりもしてます。だけど喧嘩も多いんですよ。よく怒られています(笑)」


――お仕事の話を話したりはしますか?

「そうですね。台本のセリフ合わせを一緒にやってもらったりもしています。その度に“花はこんなお仕事が出来てよかったね”と言ってくれます」


――自分の作品を家族に見られるって、どういう気持ちですか?

「すっごく恥ずかしいです! 自分がテレビに出てること自体が恥ずかしい…(笑)。だけど、テレビに出たいという憧れがあったので、今の環境が凄く幸せです」


――女優の志田未来さんに憧れて、芸能界を志すようになったそうですね。

「志田さんが大好きで、所属事務所を調べて今の事務所のオーディションを受けました」


――彼女のどんな作品を見ていましたか?

「最初に見たのが『女王の教室』。そこから『14才の母』、『正義のミカタ』などを見ました。志田さんの出てる作品はほとんど見てると思います」


――どんな部分に憧れてる?

「役によって表情や声の出し方、演技が全部違うところです。全ての作品がハマリ役だけど、全部違う人に見えるというか。自分もそういう演技が出来るようになりたいです」


――役者の楽しい部分ってどんなところですか?

「自分もドラマの制作に関わってるんだぞ! という気分が味わえるところです。事務所に入る前と後では、ドラマの見方が全然変わりました。撮影する部分を知っているので、出来上がった作品を見る時は、いつもとは違った目線で見てしまいます。そこが凄く新鮮で楽しいです。あとは、キャストとスタッフのみなさんとの団結。初めてドラマのお仕事をした時に、こんなに団結してお仕事をやってるんだ! とびっくりしました。レギュラーではなくゲスト出演した作品があるんですが、その時にみなさん優しく出迎えてくれたのが印象的でした。自分もそういう日が来れば、迎える側としてきちんとしたいなと思います」


――今年の4月から中学3年生になりましたが、最上級生としての気持ちの変化はありますか?

「今のクラスは凄く団結してる気がします。やっぱり最後の年だし、ひとつひとつの行事を楽しみたいなと思っています」


――学校で流行っていることはありますか?

「お手紙が流行っています。2年生の時に仲良かったことクラスが離れたので、その子とお手紙のやり取りをしています。家で手紙を読んでお返事を書いて、翌日にお友達に渡すっていう。交換日記だと続かないんだけど、お手紙だと続くんです(笑)。あと自分が今ハマっているのは、歌手のゆずです。ゆずのおふたりは私が生まれた年にデビューしてるんですけど、最近CMで流れているので好きになりました。スタジオへの移動中はずっとゆずを聞いています」


――クラスのみんなとテレビや映画の話はしますか?

「今は受験生なのであまりしません。だけど私が出てるドラマは、みんな“見たよ!”って言ってくれるので嬉しいですね」


――最近観た映画で面白かった作品はありますか?

「『婚前特急』が凄く面白かったです。加瀬亮さんがかっこよくて! 大好きになりました。あとは『おにいちゃんのハナビ』。凄く感動しました。家で観たんですが、家族の前で泣きたくなかったので我慢して・・・ひとりで観ればよかった~と後悔しました(笑)。あとは、オダギリさんが出演されている『奇跡』も観ました。この映画には大塚(寧々)さんも出演されていて、おふたりとも“いい映画だった”とおっしゃっていて。そういう作品に出会えるのって凄く素敵ですよね。私もそういう作品にたくさん携わりたいなと思いました」


――最後にドラマの見どころを教えて下さい。

「登場人物が色んな人達と出会って、その人達がどんどん成長していくドラマです。最初はぎこちなかったり対立したりしますが、次第に接し方や表情が変わっていきます。その変化をみなさんに楽しんでほしいです」


『家族のうた』

脚本/酒井雅秋
出演/オダギリジョー ユースケ・サンタマリア 貫地谷しほり ムロツヨシ 中島健人 杉咲花 大森絢音 藤本哉汰・藤竜也・前川泰之 トータス松本 大塚寧々 ほか

かつて世間から絶大な人気を誇ったロックバンドのボーカル&ギター担当・早川正義(オダギリジョー)は、バンド解散後にソロ活動を始めるも人気は急降下。そんなある日、正義の元に、自分を「お父さん」と呼ぶ姉弟が現れる。すると今度は、謎の老人と中学生の女の子も現れ、「これからよろしくお願いします」と同居を迫られ・・・。
毎週日曜夜9時~フジテレビ系にて放送中

http://www.fujitv.co.jp/kazokunouta/

2024年03月
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