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インタビュー

佐藤 千亜妃   (さとう ちあき)

「ホリプロスカウトキャラバン」グランプリを機に芸能界デビューを果たし、映画『包帯クラブ』、『KING GAME』 、『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』のほか、ドラマ『ホタルノヒカリ2』レギュラー出演と、着々と出演を重ねる佐藤千亜妃。最新出演作『幻夜』が、11月21日からWOWOWにて放送中。原作ファンも多いこの作品に、佐藤はどう挑む?

プロフィール 佐藤 千亜妃(さとう ちあき)


1988年9月20日生まれ、岩手県出身。2004年「第29回ホリプロタレントスカウトキャラバン」グランプリ受賞を機に、芸能界デビュー。主な出演作は、映画『恋愛戯曲~私と恋におちてください。~』、『KING GAME』、ドラマ『ホタルノヒカリ2』など。WOWOW連続ドラマW「東野圭吾・幻夜」は、飯塚千絵役で第3話から登場。

── WOWOWドラマ『幻夜』が放送中です。佐藤さんは、第3話(12月5日放送)から登場する飯塚千絵という役でご登場されています。まずは、役どころを教えて頂けますか?

「美冬(深田恭子)にイケメン美容師として利用されてしまう青江(菊田大輔)の恋人で、同じ美容院で働くアシスタントです。美冬に独立を促されて変わって行く恋人を不安に思っている役ですね」


── このドラマは東野圭吾さんの小説が原作になっており、TBSでドラマ化され、映画化もされた『白夜行』の続編・姉妹編とも言われる作品です。原作を読んだことはありますか?

「読書が大好きなので、小説はよく読んでいるんですが、東野圭吾さんの作品にはまだ足を踏み入れたことがありません。ドラマを最後まで見終わってから、読んでみようと思っています」


── では、脚本を読んで初めて世界観を知った訳ですね。脚本を読んだ感想はいかがですか?

「実は自分が出演させていただいた3~5話の脚本しか読んでいないんです。原作を読んでいないので、美冬が心にどんな闇を抱えているのか、なぜあんな風に人と自分も傷つけて生きているのか、とても気になりました」


── では、結末はまだ知らない?

「はい。もちろん結末も知らないです(笑)」


── 視聴者と同じ気持ちですね。

「なのでオンエアが本当に楽しみです。視聴者の方も“悪女”美冬がどうなっていくか注目してほしいですし、私も一緒に最後まで楽しみたいと思います」


── 千絵を演じるにあたって、役について考えたことや監督からアドバイスを受けたことがあれば教えて下さい。

「千絵はとても真面目な性格で、青江を好きなのと同時に美容師として応援もしています。美冬とは対極の、大人しくて地味な感じですが、青江は美冬に惹かれてはいても千絵を捨てたりしなかったので、青江に好かれる可愛さや素直さは持っていなくてはならないなと…」


── そんな千絵を演じるにあたって、どんなことに気を付けましたか?

「青江を心配する気持ちや美冬への不信感を、見る側がわかりやすいように出来ればな…と思いながら演じました」


── 美冬は千絵とは正反対の性格で“悪女”な訳ですけど、美冬に惹かれる男性がいる訳ですよね。

「客観的に見たら、なぜそんなにも美冬に尽くせるのか疑問ですが、きっとどうしようもないのだろうなと思います。それが“悪女”というか……」


── 青江は美冬にまんまと騙されてしまっていますし、雅也(塚本高史)に至っては、美冬のために殺人まで起こしてしまいます。そうさせてしまう、彼らの恋愛感はどう思いますか?

「青江は騙されていること、利用されていることに気付いていなかったですが、雅也はすべてをわかっていて、それでもとりつかれたように美冬に惹かれているじゃないですか。だから、雅也に関しては、“恋愛”という言葉で片付けられるものではないのかもしれないですね」


── 共演者の方々とは何かお話されましたか?

「クランクアップの時に、ちょうど泣くお芝居があったんですが、刑事役の柴田恭平さんが“よく頑張ったね”と言って下さって…。そのことが凄く印象に残っています。柴田さんのお芝居は、役にとても真摯で。それを近くで見ることが出来たことが嬉しかったですね」


── ところで、音楽活動もやられているってお聞きしたんですけど。

「あ、はい。4年くらい前からバンドをやっています」


── 今日お持ちのヘッドフォンも、女の子が歩きながら使うには、相当大きいですよね(笑)。

「自分でレコーディングもするので(笑)。暇さえあれば部屋でチマチマと。もしくはフィールドレコーディング。自分で機材を持って外に出て、雨の音とか録音したりします」


── 映画の現場に行ったら、参考になるものがいっぱいあるんじゃないですか?

「そうなんですよ! 正直機材ばっかり見ています(笑)。“ここでこういう音出してるんですか? これなんですか?”って色々質問したり、録音部さんからしたら、"ちょっとこの子、何?"って思われてるかも(笑)」


── モノを作るのが好きなんですね。

「そうですね。モノづくりが好きだし、物好きでもあります(笑)。メイクも好きなんですよ。色を配置する、重ねるっていう行為が好きで。技術が上手いかって言われればわからないんですけど、人の顔を貸してくれたらいくらでもメイクしたくなってしまいます。実は映像編集も最近やり始めていて。バンドのライブ映像を繋げる簡単なヤツなんですけど。ミュージックビデオとか作ったら楽しいでしょうね」


── 映画やドラマを見ても、どうやって作るんだろうんという制作側に興味が沸いてしまいますか?

「あ~それはとても思います。一体このシーンはどうやってるんだろうなって」


── とにかく現場にいたいっていう気持ちが強い?

「映画だったら、別に出演してなくてもいいから見学できたら嬉しいなって(笑)。岩井(俊二)監督が好きなので、その現場の空気をいつか味わってみたいです」


── 映画が好きっておっしゃる俳優さんは、ほんとに映画という世界を愛していますよね。

「そうですね。観てるだけでいいんです(笑)。役者って演出批判をしちゃいけない立場じゃないかと私は思うんですけど、だから、ここをこうするんだ~って思いながらモニタを見るのが好きなんです。私だったらこうするな~とか」


── そんなに色んな興味を示しているのなら、知らないうちに吸収することも多いのでは?

「そうですね~勉強になることはたくさんあります。でも、自分では実は勘がいい方だと思っていたのに、役者をやり始めたら、全然よくないってことに気付きました。とても奥が深いです」


── そもそもこの世界に入ったのは…?

「ホリプロタレントスカウトキャラバンです。地元が岩手なんですけど、事務所の方がいらっしゃってお誘いしてくれて。それで私も面白そうだな~ってくらいの感覚で受けてみました。地方の人間なんで、東京人を笑わせてやるか~と軽い気持ちでやってたら、いつのまにかグランプリになっていて。親もびっくりでしたね。父親が厳しかったので、"東北大学行くんじゃなかったのか!"と怒られました。私も大学を卒業して、東京に行こうかなとぼんやり思っていたので、ほんと自分でも驚いて。ただ、東京に出てなかったら、今のような経験も出来ていないですから、いいきっかけになりました」


── 東京って情報が多いですからね。

「そうですね。東京に来なかったらここまで音楽にものめり込んでなかったかもしれないです。しかし、なんで私をスカウトして下さったんだろう…(笑)。謎は深まるばかりです」


── 佐藤さんは今、何が一番やりたいですか?

「仕事とは離れますが…(笑)。一生の目標は、死ぬまでに名曲を書くこと。チャレンジしたいなぁって思うのは、青春18切符で屋久島に行きたい! 知り合いで日本各地を旅行している人がいるんですが、屋久島に18切符で行ったらしくって! 東京からひとりでですよ? ほんと凄いなって。それくらいパンクなことやりたいですね(笑)」



作品紹介『幻夜』

原作/東野圭吾「幻夜」(集英社文庫)

監督/猪崎宜昭 麻生学 猪原達三

脚本/渡邉睦月

音楽/溝口肇

主題歌/珠妃「光の彼方へ」

水原雅也(塚本高史)は、父の通夜の翌朝に起きた大地震直後に借金返済を迫って来た伯父を殺害してしまう。ふと気付くと、そばには見知らぬ女性・新海美冬(深田恭子)が立っていた。雅也は彼女の美貌と才気に見せられ、彼女とともに生きていくことに。やがてふたりは上京。そして、美冬が「美」の世界でのし上がっていくのとともに、彼らの周辺で様々な事件が巻き起こっていく。その不可解な事件に、ひとりの刑事(柴田恭兵)が疑惑の目を向け始めて……。

毎週日曜よる10時~  WOWOWにて放送中

http://www.wowow.co.jp/dramaw/genya/

1926年02月
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