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インタビュー

大友花恋   (おおとも・かれん)

1999年生まれの14歳。昨年、ドラマ『結婚同窓会~SEASIDE LOVE~』で女優デビュー。その後『悪夢ちゃん』では近藤七海役で初レギュラーを獲得し、今クールは『放課後グル―ヴ』で大家族の長女・北野二葉役、『幽かな彼女』では回想の少女役と2作のドラマに出演している今後の活躍に期待が集まる注目の女優だ。現在、出身地の群馬から仕事の度に片道4時間かけて上京。もぎたてのフルーツのようにみずみずしくフレッシュでかわいらしい彼女が、子供のころから憧れていた芸能の仕事で大成するため懸命に挑んでいる。

撮影/吉田将史 文/今津三奈

プロフィール 大友花恋(おおとも・かれん)


1999年10月9日生まれ。群馬県出身。これまでの出演作は、ドラマ『結婚同窓会~SEASIDE LOVE~』、『悪夢ちゃん』、『音龍門-朗読少女-』。現在は『放課後グル―ヴ』の北野二葉役、『幽かな彼女』では回想の少女役で出演中。趣味は読書と習字。特技は作文。

――まず、花恋さんのことから教えて下さい。この世界に入ったきっかけはなんですか?

「小さいころから女優さんかモデルさんになりたいと思っていました。本格的に考えたのは、よく読んでいる雑誌で読者モデルを募集しているのを見た時です。お母さんに協力してもらって応募したら受かりました」


――小さいころから思いがあったんですね。影響を受けた人などいたのでしょうか?

「誰という訳ではないのですが、普段自分が来ている服とは違うかわいい服をたくさん着られて、その上テレビに出られるなんて羨ましくて」


――女優やモデルになりたいと思っていることを、周りの友達に話したことはありましたか?

「話したことはなかったです」


――では、みんなに報告した時は驚いたでしょう。

「みんなびっくりしてました。『嘘でしょ~!』って。周りにそういうことをしている人がいないので、衝撃だったと思います」


――今は女優さんのお仕事が中心ですが、女優さんの仕事を意識したきっかけは?

「小さいころからお母さんが見ているドラマを一緒に見ていて。最初に真剣に見たのは、『小公女セイラ』です。お姫様系の話が大好きだったので、お嬢様が貧乏になってしまうストーリーにときめいたというか、こういう立場になったらかっこいいんじゃないかなと思って。自分もその中でお芝居をしてみたいと思いました」


――そのほかにも好きなドラマがあった教えて下さい。

「最近のドラマですが、『夜行観覧車』に夢中になりました。元々湊かなえさんの本が好きだったこともあるので…」


――ええっ、湊かなえさんの本を読んでるんですか!? 同年代の友達も読んでますか?

「担任の先生が湊かなえさんの本をたくさん持っているので、貸してもらううちに私も好きになりました」


――では『夜行観覧車』はドラマよりも先に本を読んでいたんですか?

「湊かなえさんが原作ということで観たくて。本だと頭の中で想像する部分がたくさんあるのですが、ドラマだと形になっているので、“うわ~、こういうことだったんだ”というシーンもたくさんありました」


――趣味は読書ですが、湊さんが好きということはミステリーが好き?

「実はミステリーはあまり好きじゃないんですが、湊かなえさんの作品は特別です。種類で言うなら、ファンタジーが好きです。今読んでいる途中なんですが、映画にもなった『ツナグ』が面白いです。内容が難しいので、人の名前がなかなか憶えられなくて、読みながら途中何度も戻ったりしながら読んでます」


――本の世界は映像を想像しながら読んでいると思うんですが、妄想は広がるほうですか?

「結構想像してます。本当に好きな本になると、この登場人物はなぜそう思うのか? とか気になっちゃって」


――ではそろそろ女優さんのお話も聞かせて下さい。今は週に1~2回東京にいらしているようですが、初めての東京はお仕事で?

「はい。高いビルがたくさんあってびっくりしました(笑)」


――現在出演中の『放課後グルーヴ』の北野二葉ちゃん役に決まってから、まずどんな準備をしましたか?

「すぐに1話から5話までの台本を頂きました。セリフの言い方とか、動きとかがひとつひとつが面白くて、コメディー要素がいっぱいあって、読みながら凄く面白くてたくさん笑いました」


――セリフはどうやって憶えていきましたか?。

「まず自分のセリフを紙に書いて憶えます。台本の文字を書き直し、憶えたら見ないで言ってみて間違いを修正していきます。言い方は紙に書いているとイメージがわいていくので、いくつかのパターンを自分で想像して。それをお母さんに見てもらっています」


――『放課後グル―ヴ』はセリフが面白いし、演出が独特ですよね。台本の中には細かく指示が入っているんですか?

「書いてあるものもありますが、リハーサルの場で指示があったりすることもあります」


――そのリハーサルにかなり時間をかけたそうですが。

「2週間くらい毎日やりました。そのリハーサルの場にはマネージャーさんも保護者も一切入れなくて、スタッフさんとキャストだけで作り上げて行くんです。もちろん、本番もスタッフさんとキャストのみ。リハーサルで作り上げた芝居をそのまま本番で演じました」


――これまでにもドラマに出演されているので、この方法がいつものスタイルと違うものだと感じたと思いますが、今回の撮影スタイルでよかったことはなんですか?

「リハーサルでわからないことをたくさん質問出来たことです。本番直前になって聞くよりは、リハーサルのあとに確認出来たので準備が出来ましたし、私としては凄く助かりました」


――家に帰ってから芝居について再度考える時間があるんですね。

「監督さんに『ここは確認しとけよ!』と言われる箇所がいくつかあるので、それを復讐します」


――そういったアドバイスは、台本の中に書き込んでいくんですか?

「はい。だから、台本にはびっしり書いてあります」


――花恋さんが演じる北野二葉ちゃんはどんな女の子ですか?

「二葉は9人家族でお母さん代わりをしているしっかりものです。お母さんが亡くなっているので、お父さん+8人兄弟。お兄ちゃん(清水尋也)がひとりいて、あとは全員下。だから、洗濯や掃除をしたりするシーンもあります」


――実際の兄弟は何人ですか?

「妹と弟がいます」


――3人兄弟のお姉さんなら、心情は理解しやすいですね。

「でも下にいる人数が全然違うから、勢いが違います。一番下は5歳なんですよ。最初はその子も小さくなっていたんですが、何回か会ううちにどんどん本当の5歳になっていって(笑)」


――家事のシーンは上手く出来ましたか?

「役が決まる前から、休みの日は妹と一緒に洗濯ものを干したり掃除をしたりしているので結構普段の自分に近いかもしれません。ただ、セリフを言いながらというのが難しくて。だから、最近はお手伝いをしながらセリフを言ってみたりしています」


――学校での二葉ちゃんはどんな子ですか?

「家よりも学校でのほうが元気な女の子。兄弟達がいないぶん、普通の女の子になっています。私のイメージでは、わりとクラスの中心的な子かな」


――普段の花恋さんは?

「自分では友達がいっぱいいると思ってます。仲のいい友達もいっぱいいるし、自分で立候補して、一時期学級委員もやっていました」


――積極的なんですね。

「元々クラスメイトがのんびりしていたりすると、『ちょっとそこ、やっておいて』と頼んじゃうほうなんですが、学級委員でもないのに、この場を仕切っちゃったらどうなんだろう? となるのが嫌だった。だったら学級委員になっちゃったほうがスムーズだなと思って。みんなを引っ張っていくほうが好きです」


――二葉ちゃんの役について、監督から話はありしたか?

「リハーサルの時に何度かアドバイスを頂きました」


――言われたことで印象に残っていることは?

「様々なシーンで、『ここで二葉はこう動きたいんじゃない? こうしたいんじゃない?』と心情を一緒に考えて下さって。 “ああ、そうか”と思うことばかりでした」


――お芝居は、まず自分が考えたことを監督に見てもらうんですか?

「はい。そのあとに監督が色々と指導して下さいます。事務所でも月に1回レッスンをしているんですが、レペテーションという、相手の言葉を聞いて、気持ちを使って同じ言葉で返すというレッスンがあるんです。ドラマはセリフが決まっているので同じようにはいかないですが、相手の気持ちを感じ取って、自分の気持ちを乗せながらセリフを言わないと自分の言葉じゃないぶん伝わらないので、レッスンを応用して使ってます」


――現場ではモニターで自分のお芝居をチェックすることも出来ますが、ご覧になりますか?

「モニターを見ると自分がやっていることとイメージが違うこともあるので、確認して違うなと思ったらすぐに芝居を変えます」


――現場では同世代の出演者が多いと思いますが、どんな様子ですか?

「待っている間はみんなで台本を読んでいることが多いです。その日の仕事が終わったら、今日の感想を言い合ったり。リハーサルで作ったあるものを本番でしっかりやるだけなので、そういう確認をし合うことがほとんどです」


――『放課後グルーヴ』はダンスも大きなテーマになっていますがダンスは得意ですか?

「ダンスは得意です。身体を動かしたり、優しいダンスのレッスンも上手くいきました。まだまだ頑張ります」


――『幽かな彼女』にも出演されてますが、回想シーンでの登場です。どんな風に撮影しているんですか?

「撮影のスタイルは一般的なんですが、回想シーンだけなので、本編の台本とは別に、回想シーンのみの台本があって、その台本だけで演じているんです。だから、わりと視聴者の方と同じ感覚で、オンエアを見て、『ああ、こういう風に使われているんだ…』という感覚です」


――それは難しいですね。自分の出演したドラマは何度も見ますか?

「自分の反省もしつつ、何度も見ちゃいます(笑)」


――『幽かな彼女』はオーディションで決まったようですが、どんなオーディションでしたか?

「凄く面白いオーディションでした。いつもは緊張しちゃってずっとドキドキしていることが多いんですけど、笑いっぱなしのオーディションで。今通っている学校について聞かれたり、私がどういう人なのかという質問が多かったです。その場がずっと面白くて。普段通りの自分で質問にも答えられました」


――面接官の方が面白かったのでしょうか?

「関西のノリだったんです。そして、自分のいいところだけじゃなく、悪いところも言えたので(笑)」


――お芝居は自分の感情とは違うセリフを言ったり、体験したことのないことをその人の気持ちになってセリフを言うと思うのですが、その心情になるために心がけていることはありますか?

「今回の『幽かな彼女』はそうはいかないですけど、前後の内容を読んでから気持ちを作り、その上で自分のシーンを直前に読んで、それまでにどういうことがあったのか頭の中に残しておくようにしています」


――暗い気持ち、明るい気持ちはすぐに作れるものですか?

「時間がかかるので、待ち時間からその気持ちに持っていけるように準備してます」


――気持ちを作るまでに時間がかかると、抜けるのも時間がかかりますか?

「やりきったあとは、パッと自分に戻ってスッキリしちゃいます(笑)。今回はいじめられる役なので、そのシーンが終わったあとに学校の友達と会うと“優しすぎる!”“普通に話してくれる!”と嬉しくなっちゃいました」


――今、お芝居が中心になっていますが、どんなところが楽しいですか?

「自分の生活では絶対にありえないことが出来るのが嬉しいです。『幽かな彼女』みたいに先生に向かってノートを投げることもないだろうし、今後『小公女セーラ』のように、お嬢様になれるかもしれないですし」


――これから挑戦したい役はありますか?

「いじめられたので、いじめる役をやりたいです(笑)」


――経験したことのない役をやるには、人間観察なども役立ちますね。

「街ですれ違う人を見ては、“あの人はあういう人だろう。だから、あういうことをするんだ”と思ったり。学校の友達でも、“この子は頭がいいからこういう仕草が多いのかな”とか」


――それ、具体的に教えて下さい。

「頭がいい子って、表面では頭がいい風に見せないんです。でも、気づかないところで努力しているんです。勉強する時は集中して短時間で済ましてしまうので、みんなは頭がいいのか羨ましいとか言ってるけど、結局は集中しているからなのかなと思います。あと、静かな子とか、おどおどしている子は、いつもうつむいているイメージがあるんですけど、もし、うつむいていたとしても、(実際に演じながら)ちょっと上目づかいで前を見ていたり、手は横ではなく、前にして小さくなっていたりします。いつもそうやって色んな人を見ているから、常にキョロキョロ周りを見渡すようになりました。友達にも、『何かあった?』なんて聞かれたりして」


――まだ14歳ですが、これからの自分を想像したり、目標を立てたりしてますか?

「ドラマで主演をやりたいです。たくさん出番があって、『セリフ、もう憶えられない…』というくらい」


――目標とする好きな女優さんは?

「志田未来さん、北川景子さん、石原さとみさんです。志田さんは、全く違う役も全部完璧に出来るし、北川さんは一度共演させて頂いたのですが、その場その場で指示されたことを、パッパッと出来る。石原さんは、表情が素晴らしいので尊敬してます」


――志田さんは事務所の先輩ですね。

「一度お会いしました。『悪夢ちゃん』の撮影の時、志田さんが出演していた『ゴーストママ』が同じスタジオで、マネージャーさんに連れていって頂いてお会いしました。でも挨拶するのが精一杯でお互い緊張してしまって。お会い出来たら『いつも見てます』とか、色々言いたかったんですけど、“うわ~~~ここに、志田未来さんがいる~~”ってふわーっとなってしまって(笑)」


――憧れの先輩に近づくために、まずはどんな女優さんを目指しましょうか?

「私のイメージからは感じられない演技がしたいです。花恋ちゃんならこのくらいは出来るというのではなく、“え、これは花恋ちゃん?”と言われるようになりたい。そして、まずは多くの人に名前を憶えてほしいです」


ドラマNEO『放課後グルーヴ』

脚本・監督/飯塚健
出演/高梨臨 余貴美子 岡山天音 清水尋也 草野イニ デニス 荻原みのり 上原実矩 古泉葵 大和田伸也 ほか

高校を中退し、ヤンキー生活を送っていた桐生真琴(高梨臨)は、ひょんなことから小湊倫子(余貴美子)と出会う。彼女との出会いがきっかけで、暴走族からも足を洗い、改めて高校に入学し更生することが出来た。その後大学に進学し体育教師となり現在は初めてのクラス担任も務め生徒からの人気も抜群だ。しかしある日、校長(大和田伸也)から今年は必修化されたダンスに力を入れると発表があった。真琴はダンスが大の苦手。生徒達にバレないよう必死に頑張るのだが、誤魔化す日々が続く。そんな学校に通う生徒の事情も色々。毎回、様々な事件が起こるのであった。
毎週月曜 深夜0時28分~TBS系にて放送中

2019年04月
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