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インタビュー

竹内寿   (たけうち とし)

2007年「第20回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリに輝いたのが記憶に新しい竹内寿君。歴代最年少の14歳で受賞を果たし、 2008年にTBS系列で放送された『魔王』で俳優としての活動をスタート。今秋には『TAJOMARU』『カムイ外伝』『僕の初恋をキミに捧ぐ』『僕らのワンダフルデイズ』と出演作が続々と公開を迎え、10月よりNHKにてドラマ『チャレンジド』の放送も開始するなど、メディア露出とともに世間の注目も高まる一方です。今後ますます目が離せない存在となるであろう、新人俳優・竹内寿君にデビューの話から最新作の話題まで大いに語って頂きました!

プロフィール 竹内寿(たけうち とし)


1993年10月26日生まれ、長野県出身。2007年「第20回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で史上最年少の14歳でグランプリに輝き芸能界入り。2008年ドラマ『魔王』で俳優デビューを果たす。今年9月12日(土)、13 日(日)先行ロードショーの『TAJOMARU』を皮切りに『カムイ外伝』『僕の初恋をキミに捧ぐ』『僕らのワンダフルデイズ』の出演作が相次いで公開。 10月からはNHK土曜ドラマ『チャレンジド』の放送が始まる。

── 2007年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリに輝いて竹内君の芸能生活が始まった訳ですが、初めての俳優活動が『魔王』だったんですよね。

「はい。『魔王』のオーディションのときは何が何だかわからなかったので、緊張する間もなかったんですけど、いざドラマ出演が決まって撮影が始まると凄く緊張したのを覚えています」


── 本番までの準備はどれくらいやりましたか?

「準備というか、リハーサルを何度もやらせて頂いて、監督から"この役はこんな役だから"って指示をもらいながら本番に臨みました。そのおかげで本番は多少リラックスして演技することが出来ましたね」


── 竹内君の演じた役は、主人公・成瀬領の弟役でしたね。中学の同級生から殺されてしまうという設定でしたが、死ぬという演技は難しくなかったですか?

「今考えれば凄く難しい役だったんだなと思います。でも当時は他の役を演じたことがなかったから、何が難しいのかもよくわからず、とにかく一生懸命やるしかない! という気持ちでいっぱいでした」


── 実際のオンエアで自分の演じている姿を見てどうでした?

「恥ずかしかったです。それに自分の演技がどうだったという判断も出来なかったので、普通に見ただけで終わっちゃいました(笑)」


── 初めての撮影は順調でしたか?

「かなり早く撮り終わりました。5月末か6月頭には既に取り終えていた気がします。それから少しして『カムイ外伝』の撮影に入ったんです」


── 映画の現場はどうでした?

「僕が出演したシーンは、とても大掛かりなセットが組まれたシーンでした。時代劇の格好をした人たちが何百人も集まっていて。ドラマと映画ってこう違うのか~と感じるというよりも、僕は一体どこに来たんだろう? ってくらいの凄さで(笑)」


── 『カムイ外伝』も『TAJOMARU』も時代劇ですから、他の現場とは少し違うかもしれないですね。

「そうですね。ただ、ふたつとも大先輩の俳優の方々の演技を生で見れたことは凄く大きかったです。アクションシーンもたくさん見ることが出来てとても勉強になりました。『カムイ外伝』では、僕の居た場所の近くに、佐藤浩市さんや土屋アンナさんがいらっしゃって。おふたりが"暑くない?"とか"スキージャンプやってるんだよね"とか、話しかけて下さったのが嬉しかったですね。僕から話しかけることが出来ないぶん、僕を気にかけて下さったのかなと思うと、凄くありがたかったです」


── 大先輩に囲まれての撮影といえば、『僕らのワンダフルデイズ』も大ベテランの俳優の方々が出演されています。

「はい。僕は宅麻伸さんの息子役をやらせて頂きました。結婚式場やライブハウスの撮影シーンが多かったんですが、スタジオじゃないので控室がないんですよ。男性メンバーの楽屋、女性メンバーの楽屋と一括りなっていて・・・ちょっと緊張してしまいました。唯一、竹中直人さんの息子役の方が僕のひとつ上だったので、それが救いでした(笑)」


── 竹内君が演じられた役がどんな役でしたか?

「最初は父親に反抗的な態度ばかり取っているんですけど、バンドを結成して頑張っている父親の姿を見て徐々に心を開いていくという役です。この映画はコメディーではあるのですが、僕の役は落ち込んだり何かを抱えて悩んでるというシーンがたくさんありましたし、泣き叫ぶシーンもあったんです」


── 泣き叫ぶ演技は今までにやったことありました?

「わーっと泣き叫ぶのは今回が初めてです。母親役の紺野美沙子さんと抱き合いながら泣くシーンだったんですが、リラックスして撮影できるように、紺野さんが待ち時間に"少し話そうか"と言って下さって。紺野さんのお子さんが僕と年齢が近くて"これくらいの年代の子は何を考えているのかしら"みたいな世間話をしたりとか、1時間近く話させて頂きました」


── ドラマ『チャレンジド』では中学生の役なので、同年代の子も多かったんじゃないですか?

「中学2年生の役だったので、クラスメイトの中では僕が最年長でした。今までは年上の方に囲まれることが多くて緊張することが多かったんですが、一番年上という環境も少しつらいですね(笑)。ゲームの話をしても全然ついていけなくて、皆に話を合わせるのが大変でした(笑)」


── ゲームはあまりしないんですか?

「簡単なゲームしか出来ません(笑)。兄の影響もあって、同年代の趣味や遊びとズレてるのかもしれないです」


── スキージャンプもお兄さんの影響ですか?

「そうです。兄がスキージャンプをやっていて、前から楽しそうだなと思っていました。それで兄の練習風景を見ているうちにコーチの方とも仲良くなって、"ジャンプやらない?"と声をかけてもらったのがきっかけですね」


── スキージャンプ一本で頑張ろうとは思わなかったのでしょうか。

「ずっと思っていました。スキージャンプでオリンピックに行こうと思っていたくらいですから」


── そこから俳優としての道を考えたのはどうして?

「親戚が応募したジュノン・スーパーボーイ・コンテストだったんですけど、ランキングが上がっていくのが楽しくてしょうがなかったんです。ファイナリストの 10人に選ばれた時に凄く悩んだんですが、最終選考のリハーサルや撮影をしていくうちに、芸能界の世界で頑張りたいなと思うようになりました」


── では、元々ドラマや映画を見て憧れていた訳ではなかったんですね。

「全く興味がなかったです(笑)。ジャンプの練習で見れないというのもあったんですが、わざわざ見ようとも思わなかったですし。だから好きな作品っていうのもあまりないし、具体的にどんな俳優さんが好きっていうのもないんです。好きな俳優さんがいないと言うとおかしいかもしれないんですが、ドラマや映画全てが勉強だなと思うし、どの役者さんも凄いなって思います」


── どういう人を見ると凄いなって感じますか?

「例えば、ある作品ともうひとつの作品を比較して、全くの別人じゃないかと思うくらい演技の幅が広い人ですね。その役柄に俳優さんのイメージが残っているよりも、役によって全然人が違うっていう方が僕は好きです」


── そういう役者さんになりたいなと、自分でも思いますか?

「そうですね。なんでもこなせる役者になりたいなって思います。僕が今まで演じてきた役って、家族の誰かが亡くなっていたり、僕自身が死んじゃったりっていう、ちょっと不幸な役が多いんです。だからテンションが高い役とかやってみたいなと思うんですけど、なかなかないんですよね(笑)」


── 言われてみれば、素で明るい役ってないかもしれないですね。

「そうなんですよ。『魔王』も『ヴォイス~命なき者の声~』も『僕らのワンダフルデイズ』も・・・。『チャレンジド』もそうなんですよ。色々抱えている役なんです」


── 『僕の初恋をキミに捧ぐ』はどうですか? 井上真央さんにチョッカイを出す役で、今までの役柄に比べればテンションも高い役かと。

「この役は、感情で悩むというよりもアクションの動きが難しかったです。岡田将生さんに殴りかかられるっていうシーンがあったので、そこは怪我しないようにしなければならないし、かといって本気でケンカしてるように演じなきゃいけないので、凄く難しかったですね。でも、殺陣師の先生がこう動いてって指示して下さったのと、リハーサルの時にマットが敷いてあったので、正直余裕だなって思っていたんです。でも本番になるとマットは違う場所に持って行かれちゃうし、動きも練習と本番じゃ違ってくるし少し焦りました(笑)」


── 決まっていたことと違うことがあると、やっぱり大変ですか?

「そうですね。でも完全に決まっているよりも多少自由があった方がやりやすいとは思います。僕が自由に演技出来るかと言えばまだ出来ないですが、自由に演技させてもらえる方が好きです。何もかも決められた中で演技をすると、色んな事に縛られちゃうんじゃないかと思うので、自分の中で余裕やスペースがある方がやりやすいんじゃないかなって思います」


── でもある意味難しいことですよね。

「はい。僕もまだ自由な演技とか出来るわけじゃないし、どうすればいいんだろうってたくさん悩みます。だけど、そういう悩みは別に悪いことじゃないだろうし。何でも決まってる中で決められた演技をするよりも、どう演じればいいんだろうって悩みながらやった方が、成長するんじゃないかなって思うんです」


── 役作りは念入りにやる方ですか?

「まだ役作りとかよくわからないんですが、リハーサルとか練習の時にしっかり台本を読んだり、監督の方々から説明を受けたりして、その役に入り込む準備をします。他には、練習の時に言われたことを台本に書いて、しっかり覚え込むようにしています。最近よく言われるんですけど、僕、気持ちを作り込んでいるシーンと作り切れてないシーンがあるみたいなんです。常に集中しなければいけないのって難しいんですよね。現場の雰囲気で気持ちって変わっちゃったりするし…。そこはしっかり直さなきゃなぁって思うんですが、僕はオンとオフの切り替えが凄く早いので、それも影響しているのかもしれません」


── でもそれって瞬時に役の切り替えが出来るという意味では、演技の強みになるかもしれないですよ。

「そうだといいんですけど。まだ自分自身ではわからないですね。もし周りで役になり切ってる人がいたら、僕が急にオンからオフに切り替わることで相手の集中力をダメにしちゃうのかなぁとか、迷惑かけちゃうんじゃないかなぁってちょっと心配なんです。何がよくて何が悪いのか、まだまだわからないことだらけです」


── わからないなりにも、俳優人生を歩み始めてから何か学んだことはありますか?

「そうですね…以前は作品を観ての感想や意見がほとんど出てこなかったんですが、このシーンはこう思うっていう意見が出るようになりました。ドラマや映画の見方が少し変わったというか。まだ演技の良し悪しというのはわからないんですが"何か違うぞ?"という違和感みたいなものは、最近気づくようになったかもしれません」


── どうして違和感を気づくようになったと思いますか?

「やっぱり演技を凄く意識して観るようになったからだと思います。今まではなんとなく観ていた作品も、今は常に意識するようになりました。そのことで、まだちょっとだけですが色々気づけるようになったのかなぁと思います」


── それでは最後に今後の目標を聞かせてください!

「まだ僕が出来ないなと反省していることをまずは出来るようになりたいです。そしてどんな役でもこなせて、どんな人が見ても凄いなと思われるような俳優になりたいです! そのために、まずは僕の名前を皆に知ってもらえるようにたくさんの作品に出れるよう頑張りたいと思います」



作品紹介 『僕の初恋をキミに捧ぐ』

原作:青木琴美(「僕の初恋をキミに捧ぐ」小学館フラワーコミックス 刊)

監督:新城毅彦

出演:井上真央、岡田将生 ほか

HP:http://bokukimi-movie.jp/

2009年10月24日より、東宝系にて全国ロードショー


(C)2009「僕の初恋をキミに捧ぐ」製作委員会

(C)2005青木琴美/小学館

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