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インタビュー

永江 祐貴   (ながえ ゆうき)

過去の冤罪を晴らすために、復讐の鬼と化した女。危険と知りながらも、その女を追う失意の刑事…。フジテレビ系で毎週火曜22時より放送中のドラマ『ギルティ 悪魔と契約した女』は、姉一家を殺した無実の罪を着せられ服役した女性が、出所後に罪を犯した真犯人達に復讐を遂げていくサスペンスドラマだ。事件の真相を追う刑事達の中で、スラリとした長身がひと際目立つ青年がいる。新米刑事・藤井を演じる永江祐貴は、本作が俳優デビュー。まだグラビア撮影もなれないのか、マネージャーから「シャッターを切られる時に止まらないと、ブレるからね」と言われ、「そうですね」と頷く姿が初々しい。初演技となった本作を、永江はどのような心構えで挑んだのだろうか。

撮影/柳沼涼子   文/池上愛

プロフィール 永江 祐貴(ながえ ゆうき)


1990年11月15日生まれ、京都府出身。『ギルティ 悪魔と契約した女』藤井優役で俳優デビューを飾る。ハリウッド映画『プレイ・フォー・マネー』にShunji(19)役として出演(公開未定)。
http://www.aoi-co.co.jp/

── 写真を撮られるのは難しいですか?

「はい…(笑)。まだ慣れていないので、小さなところからコツコツ憶えています」


── 取材を受けるのは何回目?

「今日が3回目です」


── 緊張しますか?

「初めてのインタビューは物凄く緊張しましたけど、今は緊張して喋れない…という程ではないです」


── このインタビューのあとにドラマの撮影が待っていますけど。

「はい(笑)」


── 早くそっちに集中したいとか思ったりしませんか?

「いや…(笑)。色々準備したいなとかはありますけど、大丈夫です! といってもインタビューもまだ慣れた訳じゃないんですが…」


── 『ギルティ 悪魔と契約した女』が俳優デビューなんですよね?

「そうです」


── 芸能界に入るきっかけは、お姉さんが事務所に履歴書を送ったから、というインタビュー記事を読みました。

「はい。元々芸能界に興味があったんですけど、なかなか僕自身踏み出せないでいて。そんな時に姉が“やってみればいいんじゃない?”って今の事務所に履歴書を送ってくれたんです」


── お姉さんの後押しがなかったら、今こうやってインタビューすることもなかったかもしれないですね。

「いやぁ…ホントにそう思います。姉がいなかったら今ここにいないかもしれません」


── クランクインの前日の気分はどんな感じでしたか?

「前日は、やっぱりちょっと緊張しましたね。でも、当日はあまり緊張しなかった…かな?」


── え、ほんとに?

「前日のほうが色々考えていたので、そういう意味で緊張度は当日よりも高かったと思います。クランクインの日は、移動の新幹線の中で寝ていましたし…」


── 現場に入っても大丈夫でした?

「あ、現場に入ったら……緊張しました(笑)」


── 休憩時間はどう過ごされているんですか?

「前室(注:スタジオの手前にある広い部屋のこと)にいることが多いですね。長い休憩じゃない限りは、みなさん控室に戻らずに前室にいらっしゃるので、僕もそこにいることが多いです」


── みなさんと何か話されますか?

「何気ない世間話ですけど。話しかけられたら、話すって感じです。さすがに僕からは話しかけられません(笑)」


── 永江さんの演じる役について教えて頂けますか?

「藤井優という、警視庁捜査一課・強行犯の刑事です。玉木(宏)さん演じる真島拓朗と同じ課にいます。社内の人間関係などはまだ把握出来ていない、新人という設定です」


── 初めての演技はどんなシーンでしたか?

「真島がやさぐれて部屋に入って来るのを見て、ちょっと嫌みを言うシーンでした」


── 新人なのに嫌みを言ってしまうのですね。

「嫌みって言うと少し違うのかもしれないんですけど。僕以外に、門倉(RIKIYA)と高部(大下源一郎)っていう刑事と3人でつるんでいて、そのふたりは色んな状況がわかった上で、真島に嫌みを言っているんです。でも、僕の場合はどちらかというと、“こういうのっておかしくないですか?”っていう疑問からくる嫌みというか……。僕の役は一番下っ端で、みんな先輩だから軽々しく文句なんて言えないんですけど、“でもこうなったらおかしいんじゃないか?”“その行動は間違っているんじゃないの?”っていう気持ちから、言葉が出てしまう感じなんです」


── ちょっとしたセリフや動作で、そのようなことを表現するのは難しかったりしませんか?

「難しいですね。ただ、監督がしっかりお芝居をつけてくれるので、きちんとした設定を頂けるぶん、自分の中では演じやすいです。ほんとは、監督が言って下さることなくとも出来ればいいんですけど……今はとてもじゃないですけど、無理です(笑)」


── 何が一番難しいと感じますか?

「一番は表情ですね。周りが演技をしている時、自分がどういう表情でいなければならないのか。自分がセリフを言う時の表情はどうするべきか…。凄く難しいです。あとはちょっとした動作とか。立ち位置だったり腕の組み方だったり…。姿勢もちょっとおかしい時がありますし」


── それについては、監督からアドバイスは頂きましたか?

「監督だけでなく、周りの方々に“こうしたほうがいいんじゃない?”って色々言って頂きます」


── 言われて気付きますか?

「そうですね。“あ、確かにそうだ”って思います。あとはオンエアを見て、歩き方が変だなとか(笑)。そういうのは凄く多いです。なんか左右に動き過ぎてるとか」


── 左右って?

「歩いてる時に、なぜか揺れてるんです(笑)。そんな動きをしていた記憶は全然ないんですけど、オンエア見ると左右に揺れてるんですよね。なので、ドラマを見終わったあとも、毎回“気をつけなきゃな”と反省しています」


── なぜそんな動きになったんでしょうね。

「多分ですけど、立ち位置を意識しすぎてしまったんだと思います。“あと何歩…”って考えながら歩いてたらそうなってしまったんだと。普段はあんな歩き方はしてないと思うんですけど……ってしてたらヤバいんですけどね(笑)」


── ほかに指摘されたことや自分で気づいたことで、改善しなければと思ったことはありますか?

「人の話を聞きながら腕を組んだ時に、“一番下なのに腕を組むと偉そうに見える”って助監督さんから指摘を頂きました。腕を組むって決めていた訳じゃないんですが、自然とそうなってしまって。僕が素で話を聞く時は、そういう動作をしてしまうなって思っていたら自然に…。でも、よく考えたら職場な訳ですから、新人が腕を組むって凄く不自然な動作だったなと気付かされました」


── 確かに。動作からも人間関係が現れますね。

「僕の動作が偉そうに見えることが多いみたいです。腕を組む以外にもポケットに手を入れてしまったり…。“さすがに、それは新人はやらないだろう”って言われてしまって(笑)」


── 前もって、こんな動きにしようと考えたりされるんですか?

「カチカチに決めている訳ではないですけど、礼儀正しく、初々しさを忘れないようには心がけています。それでも、現場でやってみたら少し違うなということもありますし、先程話したように、セリフに集中しちゃうと動きがままならなかったりするので……まだまだ勉強中です」


── 同じ事務所の玉木さんから、何かアドバイスは受けましたか?

「玉木さんとクランクインの前にご一緒した時に、“自分がセリフを発している時以外でも、その役になりきって、その役ならどういうことをしているのかを考えることが大切だよ”とアドバイスを頂きました」


── 先輩方の生の演技を見て、どう感じました?

「今までテレビで見ていたのとは全然、受け取り方、感じ方が違いました。言葉にしづらいんですけど、凄く上手っていうか…。なんか偉そうな表現になってしまうんですが、想像以上にお上手なんですよ。玉木さんももちろんそうですし、周りの出演者全員が。ほんとに感動しました」


── 何か印象に残っていることがあれば教えて下さい。

「すごく初歩的なことになってしまうんですが、僕はセリフが少ないんですけど、玉木さんは物凄くセリフ量が多いんです。それにひとつひとつのセリフが長かったりする。なのに、よくその量を自然に言うことが出来てるなぁって。あとは、各シーンごとに考え尽くされているというか、役に入り込んでいるというか…。ひとつひとつのことに感動してしまいます」


── 玉木さんの演技を見て、永江君もやる気がみなぎってきたりしますか?

玉木さんの演技を見て、永江君もやる気がみなぎってきたりしますか?


── どんな風にされてるんですか?

「長セリフを言いながら、どういう気持ちで演じてるんだろう、どういう表情で言っているんだろうって考えています。玉木さんの表情だったり、セリフのアクセントの付け方だったり…色々研究しています」


── 玉木さんとのお芝居は緊張しましたか?

「凄く緊張しました! あんな間近で演技なんて出来ない! なんて結構ビクビクしてました(笑)」


── そんな風に見えないって、スタッフさんは話していますけど(笑)。

「僕、あまり顔に出ないみたいなんですよ」


── それはラッキーじゃないですか。

「そう言われればそうなんですけど、でもよく見ると足とかブルブル震えてますよ(笑)」


── ほんとに? オンエアを見たら震えています?

「はい、そうかもしれないです(笑)」


── ではオンエアを詳しくチェックしておきます(笑)。ところで最終話まで残すところあとわずかですが、永江さんはどんなところに注目していますか?

「芽衣子(菅野美穂)の復讐劇の結末がどうなるのか…そういったサスペンス要素にも注目したいんですけど、見どころは芽衣子と真島のラブですね。ふたりの恋の行方が凄く気になりますけど…」


── けど?

「すべてハッピーエンドという訳にはいかないと思います。思い通りにはいかないというか…。きっと誰かが犠牲になったり傷ついたりしてしまうんだと思いますけど、最後まで見逃せないです」


── 藤井的にはいかがですか?

「藤井ですか? 僕の役に関しては、もう流れに身を任せて進んでいくだけです(笑)」


── では最後に『ギルティ~』の撮影を通して感じたことを教えて下さい。

「ほんとあっという間で、学ぶことが凄く多かった現場でした。玉木さんをはじめ、主役級の方々のお芝居を肌で感じて、とても刺激を受けましたね。僕はまだまだ自然な演技が出来ていないので、立ち振る舞いやセリフをナチュラルに出来るように、日々勉強していきたいと思っています」



作品紹介『ギルティ 悪魔と契約した女』

製作/関西テレビ・共同テレビ

原案/相沢友子

脚本/大久保ともみ 平野悠希

監督/小林義則(共同テレビ) 音楽/住友紀人

主題歌/JUJU「この夜を止めてよ」(ソニー・ミュージック アソシエイテッド レコーズ)

プロデュース/吉條英希(関西テレビ) 稲田秀樹(共同テレビ)

出演/菅野美穂 玉木宏 吉瀬美智子 水上剣星 吉田鋼太郎 唐沢寿明  ほか

毎週火曜夜10時  関西テレビ・フジテレビ系全国ネットで放送中

http://guilty.ktv.jp/index.html

ある日、オフィスビルから男が飛び降りた。そしてそこから、犬を連れた野上芽衣子(菅野美穂)が人知れず立ち去った…。1カ月後、警視庁捜査一課の刑事・真島拓朗(玉木宏)は、管理官の三輪周平(モロ師岡)が失踪したことを知り、手がかりを求めて三輪の家を訪れる。その道中、真島は、側溝に落ちた犬が助け出せず困っている芽衣子(菅野美穂)に出会う。彼女は、三輪の愛犬をペットトリマーとして担当していた女性だった。一見、優しさに溢れた女性だが、実は銀行員の菅沼俊也(波岡一喜)に脅迫を繰り返していた。それは、15年前に起こった事件に対する、芽衣子の復讐による行動であった……。

2019年10月
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