プラスアクト

インタビュー

山﨑 賢人   (やまざき けんと)

TBSが10月クールより開設した新たな連続ドラマ枠『Friday Break』。その第1弾として放送中のドラマ『クローンベイビー』は、同じ遺伝子を持つクローン人間達が、"ひとつのイス"をかけて壮絶な戦いを繰り広げる、新感覚のドラマだ。そのクローン人間のひとりであり、"ひとつのイス"をかけて殺し合うサバイバルゲームに巻き込まれた少年・岡部城太郎を、山﨑賢人が演じる。城太郎はネットオタクで引きこもりだが、様々なサイトをハッキングし情報を盗み取る天才ハッカー。難しい役どころを、山﨑はどのように演じているのだろうか? クライマックスまであとわずかの『クローンベイビー』の話と、自身初となるオフィシャルカレンダーについて話を聞いた。

文/池上愛

プロフィール 山﨑 賢人(やまざき けんと)


1994年9月7日生まれ、東京都出身。ファッション雑誌「ピチレモン」(学研パブリッシング)にてメンズモデルとして活動中。2010年に、ドラマ『熱海の捜査官』(テレビ朝日)で俳優デビュー。10月より、CM『フォルクスワーゲングループジャパン 「父のナイトドライブ」篇』に出演中。
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/kento-yamazaki/

── ドラマ『クローンベイビー』のオーディションの様子が、ネット配信されていましたね。オーディションはいかがでしたか?

「ネット配信されることは知ってたんですけど、カメラを気にする余裕がない程、凄く緊張していました。僕の特技はサッカーなんですけど、その場で披露することも出来ないから、やらずに終わっちゃって。なんか手ごたえもなく普通に終わってしまった感じです(笑)」


── 落ちたかなと思った?

「はい。多分落ちてるだろうな~と思ってたから、受かったと聞いた時はびっくりしたし、本当に嬉しかったです。で、そのあと城太郎という役に決まって。引きこもりの男の子って聞いたから、"え……引きこもりかぁ…"と思ったんですけど……」


── それは山﨑君にとって嫌な役ということ?

「そういうわけじゃないんですけど、想像がつかなくて。でもそのあとに"天才ハッカー"と聞いたので、"おっ!かっこいいじゃん!!"ってすぐに気持ちが切り替わって(笑)。引きこもりといっても、城太郎はめちゃめちゃテンションが高くて明るいキャラなんです。新しいタイプのオタクっていうか。だから、城太郎という役の説明を聞いていくうちに、早くやりたい! って思うようになりました」


── 最初の数話は、部屋でひとりのシーンが多かったですね。

「パソコンの前でひとりで演技するっていうのが、凄く難しかったです。まだ現場に慣れていないのに、ひとりでしたから。クランクイン初日に一気に3話まで撮ったんですよ。でも全部がひとりのシーンでしたけど(笑)。それが終わったらロケ撮影になって、共演者の人達と絡むようになったので、今は凄く楽しいです」


── ひとり芝居でテンションを高く維持するのって難しそうですね。

「最初に考えていた城太郎のテンションの高さは、僕の一番MAXなテンションだったんです。その状態を演じてみたら、監督に"まだ全然ダメ。もっとぶっ飛んで!"って言われて。だから城太郎のあのテンションの高さは、現場で初めて出したテンションの高さなんですよ」


── 自分にはないテンションの高さなんですね(笑)。

「ないですね」


── テンションの高さ以外に、城太郎を演じる上で苦労したことはありますか?

「常にテンションが高いヤツではあるんですけど、心の闇みたいなのを抱えていて。でも、青柳加奈子(未来穂香)と関わっていくうちに、人と関わることの大事さに気付き始めて……。そういう微妙な心の動きを、少しずつ少しずつ表現しなくちゃいけないのが難しいです」


── ストーリー全体を通して表現しなければならないですからね。

「はい。なんか歯がゆい感じがします」


── その難しさをどう克服してますか?

「台本のト書きをよく読んで、とにかく城太郎になりきっちゃいます。城太郎って難しい役ではあるんですけど、結構なりきりやすいところもあるので」


── それはどうして?

「現場でセリフや脚本が変わったりすることが多いんですけど、中でも城太郎は自由にやっていいよっていう部分が結構あるんです。監督から"付け足していいよ"って言われたりもしますし。現場が自由なので、城太郎ってこんなヤツなんだって、なりきって演じたほうがやりやすい部分があるというか。だから、こうやると城太郎っぽいかなぁとか思いつくことも多くて。例えば、ステーキ丼を食べているのに"牛丼うまし!"って言っちゃったりとか(笑)。もともとないセリフなんですけど、城太郎だったらこんなこと言うんじゃないかと思って、監督に"言っていいですか?"って聞いて言ったセリフです」


── 城太郎なら言いそうです(笑)。

「『クローンベイビー』ってシリアスなドラマなんですけど、城太郎と加奈子がふたりでいるシーンは子供っぽく演じてほしいって言われているんですね。ストーリーの中で、唯一ほっこりするというか明るいというか……。城太郎はそういう明るさみたいなのを求められているキャラクターだと思います」


── キーパーソンって感じですね。

「ははは(笑)。そう言って頂けると……(笑)」


── 共演者の方々は同年代が多いと思いますが。

「キャストの人達もそうなんですけど、スタッフの方々も若手の方が多くて。だから"チャレンジしていこう!"っていうノリが強くて、現場は凄く盛り上がっています。クローンの中では一番最年少なので、みなさんに劣らないように気合を入れて頑張っています」


── 城太郎を演じる時に、心がけていることはありますか?

「基本的なことですけど、台本を必ず憶えることです」


── 自分のセリフ以外も憶えるとか?

「一つひとつのセリフまで完璧に憶えてはいないですけど、流れでは掴んでます。流れを知っておけば、アドリブを入れたり出来るので」


── どうやって憶えてますか?

「ひたすら家で声出して読んでます。家族からしたら、部屋でぶつぶつひとりごとを言ってるように聞こえてるかもしれないですね(笑)」


── モニターチェックはするんですか?

「基本するようにしてるんですけど、全部見られる訳じゃないから、家でオンエアを見て演技をチェックしてます」


── オンエアも必ず見るんですね。

「見てます見てます。1回目は自分の出てるシーンが気になるので、そこをよく見て。2回目はストーリーを追うために見るので、必ず2回は見てます」


── 演技をしている時と、完成形の映像を見るのとでは違うでしょう?

「はい。自分がこう映ってたんだというのもわかるし、想像と違う映像に仕上がっていることもあります。例えば自分では凄い盛り上がってるシーンになっているだろうなって思ってても、実際にドラマを見ると、そんなに盛り上がってないなとか。些細なことですけど…」


── 音楽もつきますからね。

「『熱海の捜査官』は2回以上見てるんですけど、自分の出てるシーンにゆる~い音楽が流れることによって、こんな面白く仕上がってるんだっていう発見がありました」


── クライマックスまであとわずかですが、今後の展開を少しだけ教えて下さい。

「9話(12月3日放送)は、クローンを研究している研究所に侵入する話なんですけど。城太郎は、三雲豪太(菊田大輔)に殺されかけ、小津悟志(稲葉友)にも殺されかけ、本当にビビってるんです。だけど加奈子にガツンと言われて、ビビってるだけじゃなくてやらなきゃいけないって覚悟を決める。今までの城太郎だったら、自分のことが何よりも大事で、たとえ友達でも見捨てるようなヤツだったんですけど……っていう展開です(笑)」


── 凄くいいところじゃないですか!

「これ以上言うと最後の結末まで話してしまいそうだから...(笑)」


── 心の微妙な動きが難しいとおっしゃっていましたけど、まさしくそのシーンな訳ですね。

「はい。今まで友達なんていらないって思っていた城太郎が、大切な人の存在をしることになります。そういう部分は凄く素敵だなぁというか、共感出来る部分です」


── 30分という枠の中に濃厚なストーリーが詰まっていますよね。

「はい。化学とかクローンとか、難しい用語も出てくるし」


── ちょうど授業で習ったばかりと聞きましたが。

「そうなんです。ちょうど先生が化学の授業の時に話していて。近い将来クローンが出てくるって考えたら……ちょっと怖いなと。ドッペルゲンガー現象ってあるじゃないですか。自分のクローンってそういうことですよね? 自分と同じ人間が目の前にいたら……絶対怖いと思うんですよ(笑)」


── ドラマだから面白いですけどね。

「はい(笑)。物語は、ひとつしかないクローンの椅子を巡ってみんなが殺し合うストーリーですけど、結末は僕の予想していたのと全然違いました。そのあたりも楽しみにして頂ければ。あと、クローンが次々に死んでいく訳ですが、彼らが死ぬ時の物語もめちゃくちゃ泣けます」


── クランクアップまでどれくらいですか?

「あと1~2週間くらいだと思います(注:このインタビューは11月12日に行われた)。なんか寂しいですね。こんなにも面白くて泣けるドラマって……なかなかないと思うから。でも凄く勉強になりました。『熱海の捜査官』は監督の言ったことをそのままやることが多かったんですが、『クローンベイビー』は自分でも考えながら演じることが出来た。自分で考える力が成長した現場でした。この現場だから出来たことだと思います」


── 放送が楽しみです! さて、カレンダーの話もお聞きしたいのですが、「山崎賢人オフィシャルカレンダー2011」が発売中ですね。これはいつ撮影されたんですか?

「10月25日です」


── え!? ついこの前じゃないですか(笑)。

「そうなんです(笑)。めちゃめちゃ急で1日で撮り終えました」


── 写真を撮られるのはどうですか?

「最初は苦手でした。ポーズもどうとっていいのかわからないし悩むことも多かったんです。だけど、このカレンダー撮影でどんどん楽しくなってきました。ジャンプしたり、色々動きをつけてみたんですけど、一瞬を捉えた写真を見ると、さっきの動きがこうなったんだ~っていう発見があって」


── 自分ってこんな顔してるんだ、とか?

「凄く思います。この角度だとこういう顔に映るんだなぁとか」


── お気に入りの写真はありますか?

「このリーゼントみたいなヘアスタイルの写真は、どうしても使いたくて無理を言って載せてもらいました。いつもはやらないヘアスタイルでお気に入りです」


── リーゼントはやってみたかったんですか?

「ヘアメイクさんと"なんか面白い髪型にしてみたいね"って話してたんです。で、オダギリジョーさんが、こういう髪型をしてらっしゃるじゃないですか。だからやってみようかということになって。でもこの写真を撮ってる時は、まだ全然動けてないんですよね。午前中はスタジオで撮って、午後からロケだったんですけど、ロケ撮影のほうが全然動けてると思います」


── ジャンプは午後に撮影したものですか?

「はい。このスタジオでもジャンプしたんですけど、全然ダメでした」


── そうなんですか(笑)。

「カメラマンさんに"飛びたい?"って聞かれて、"飛びたいです"って言って1回飛んでみたんですけど、全然ダメ。"もう飛ばせない"とか言われて(笑)」


── 1日の撮影の中でも成長したんですね。

「まだまだです。写真も研究中です」


── どんな研究をしているんですか?

「自分の写真を見たり、写真集や雑誌を見たりしています。ほかの人の写真を見ると、自分のポーズがダメだなっていうのがよくわかるんです」


── 参考にしている方はいますか?

「写真の参考っていう訳じゃないですが、憧れの俳優さんはいます。藤原竜也さんが凄く好きなんです」


── プラスアクトにも登場されてますよ。

「ホントですか?(プラスアクト1月号を見ながら)わ~、かっこいい……」


── どんなところが好き?

「演技も好きだし、かっこいいし…、全部ですね」


── 特に好きな作品はありますか?

「全部観てる訳じゃないんですが、『バトルロワイヤル』『デスノート』『カイジ』の3作品が特に好きです。ほかに憧れている方は『熱海の捜査官』で共演したオダギリジョーさん。僕、この業界に入るまではあまりテレビや映画も観ていなかったんですけど、共演させて頂いて一気に好きになりました」


── 今後チャレンジしたいことはありますか?

「『クローンベイビー』も『熱海の捜査官』も、ちょっと変わった役だったんで、普通の役をやってみたいな~って思うんですけど、変わった役の面白さみたいなのも知っちゃったので、色んな役にこれからも挑戦してみたいです」


── 映画に興味は?

「やってみたいですね。ドラマと雰囲気も違うと思うので……、とにかく色んなことを吸収してたくさんチャレンジしていきたいと思っています」



作品紹介『クローンベイビー』

演出/川嶋龍太郎 岡本伸吾 ほか

脚本/中山智博 ほか

プロデューサー/川嶋龍太郎 佐藤敦司

制作/TBSテレビ

出演/市川知宏 松坂桃李 滝裕可里 山崎賢人 菊田大輔 稲葉友 ほか

http://www.tbs.co.jp/clone-baby/

毎週金曜日 深夜0時20分~0時50分 TBS系にて放送中!

青柳正宗(市川知宏)は、栄太(桜田通)からの執拗なイジメに合い、絶望の日々を過ごしていた。自分の将来に希望を見出せず、正宗は自殺しようとビルの屋上にたたずむ。すると、正宗の前に謎の青年・菊池ヒロ(松坂桃李)が現れ、ヒロは自殺を止めることはなく、正宗をビルの屋上から突き落としてしまう。しかし、正宗は飛び降りたとは思えない程の軽傷で助かり、いつもの日常生活に戻ることに。そんなある日、イジメでボロボロになった正宗の前にヒロが現れ、こう呟いた。「代わってやろうか―」。その日を境に、正宗の生活が微妙に狂い始める。まるで自分の人生を乗っ取るかのように、ヒロが本来であれば正宗がいるべき場所に姿を現すようになったのだ……。

『山﨑賢人オフィシャルカレンダー2011』

価格/1,890円(税込) サイズ/CDサイズ    ページ数/10頁

発行 /SDP

取り扱い店/STARDUST SHOPPERS

★ショッパーズ特典:直筆サイン+生写真

 

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