元駐イラン大使・元国際情報局局長 孫崎享。
元外務省・情報機関のトップが書き残す、世界の諜報活動の実態と自伝的回想録!
日本で最もスパイと接触、交流した人物が描き出す圧倒的迫力で迫るスパイ・ノンフィクション
■フィクションであるはずのスパイ小説・映画にあるリアルな真実とは
■MI6,CIA,モサド、KGB、世界の主要な諜報機関の実態を網羅
序章:スパイについて考える
意外な著名人がスパイの経験
オードリー・ヘプバーンのスパイ活動
ヘミングウェイはスパイだったのか
映画『北北西に進路を取れ』から学ぶこと
スパイとは一体、何なのか
スパイ達との接点
私にとってのスパイ小説の意味
スパイと「プロフェッショナルファウル」
第一章 英国陸軍学校とロンドン大学スラブ語、スラブ研究学部(1965年―1968年)
英国陸軍学校入学の経緯
プリンス・マイケルとロマノフ朝のつながり
ケント公とフリーメイソンとナチス高官の飛行機事故
ル・カレ著『寒い国から帰ってきたスパイ』(1963年)
第二章 モスクワ大学時代(1968年―1969年)
方向性を見失ったソ連
ソ連の終わりの始まりとなった「チェコ事件」
「スパイが周りにいる環境」でどう生きるか
ルーマニア行きを計画した防衛駐在官にトラックがぶち込む
正しいことでも、スパイ攻防では別の意味合いを持つ
スパイ合戦の背景―ショスタコヴィチの交響曲第7番
Zの動向
第三章 モスクワ大使館時代(1969年―1971年)
「ソ連水爆の父」サハロフの動き
モスクワでの盗聴・尾行
10数年も働いてきた信頼した女中による毒入り茶事件
幻となったポドゴルヌイ訪日
ニキータ・山下が語る「西側に対するスパイへの強要」
ソルジェニーツィン著『煉獄のなかで』
Zの動向
第四章 調査企画部分析課(1971年―74年)
スパイよりも信頼度の高い情報が得られる「シギント」
英国の諜報員は何故「スパイの旗」を掲げていたか
ベ平連による米脱走兵移送の知られざる史実とは?
「真珠湾攻撃の父」メーネルトとの対話
フレデリック・フォーサイス著『ジャッカルの日』
第五章 ロンドンに勤務(1976年―78年)
ハイゲートに住む
ソ連のスパイだったデイリー・テレグラフ記者
世界的に名声を得た作家アナトリー・クズネツォフの“裏切り”
アクショーノフ著、青春群像劇『星の切符』
Zの動向
第六章 再度モスクワ(1978年―1980年)
アナトリー・クズネツォフの死
世界は「陰謀論」的要素で動いている
「トビリシ毒ウォッカ事件」
ウイリアム・グリーン著『ヒューマン・ファクター』
第七章 分析課長時代(1983年―1985年)
課長としての仕事
国際情報局設立経緯
岡崎久彦局長の予測―東欧に大変革が起こる
三井物産幹部の経験:ルソーの絵画「平和」
大韓航空機撃墜事件
トム・クランシー著『レッド・オクトーバーを追え』
ZがMI6の幹部に
第八章 在イラク大使館勤務(1986年―89年)
誰が独裁者サダム・フセインを育てたか
米国隠密行動がイラン・イラク戦争の流れを変える
米国大使館の弱体化
ハラプチャ毒ガス使用疑惑
大韓航空機爆破事件
岡崎駐サウジ大使、及びサウジ情報機関を訪問
第九章 在カナダ大使館勤務時代(1989年-1991年)と国際情報局長時代(1997年―1999年)
アメリカとカナダの大きな違い
情報部門との接触を密に
映画『プライベート・ライアン』と“無駄死”
ヨルダン現国王は王子時代、「青森りんごと松坂牛」のために来日
ワシントン勤務の新聞記者の危険性
橋本首相は米ドル支配体制に挑戦しようとした?
米国に不信感をもたれた「日本最強の政治家」野中広務
第十章 駐イラン大使時代(1999年―2001年)
20年越しに明らかになったホメイニ師の秘密のメッセージ
ホメイニ政権の反米路線は“突然”形成された
チェイニー米副大統領が日本・イランの経済発展を止めた
元KGBの旧ソ連の大使達との交流
誰が米国の為に働くか
CIAやFBIは9・11を事前に察知できなかったのか?
「新たな真珠湾攻撃」を望んだ「アメリカ新世紀プロジェクト」
トム・クランシー著『日米開戦』『合衆国崩壊』
宗教派遣団、テヘランで自動車に追突される
第十一章 退官後(2009年以降)
「イラクの核兵器開発はない」とNYTに寄稿したウィルソン
チェイニー副大統領の報復
米軍人やCIAを敵として描いたトルコ映画『イラク -狼の谷-』(2006年)
中国と西側情報機関の戦い
安倍晋三元首相の殺害問題
重光葵の死を考える
ル・カレ著『ナイロビの蜂』
Zの動向
定価 : 1,800 円+税 ¥1,980⑩
[ISBN] 978-4-8470-7515-5 [発売日] 2025-01-28
【PROFILE】
孫崎享(まごさき・うける)
1943年、旧満州生まれ。
東京大学法学部を中退後、 外務省に入省。英国、ソ連、イラク、カナダに駐在。駐ウズベキスタン大使、 国際情報局長、駐イラン大使、防衛大学校教授。この間公共政策学科長、人文社会学群長を歴任。現在、東アジア共同体研究所所長。
主な主著に『戦後史の正体』 [22万部のベストセラー。 創元社]、『日本外交現場からの証言』 [山本七平賞受賞。 中公新書]、『日米同盟の正体』 [講談社現代新書]、『日米開戦の正体』 『朝鮮戦争の正体』 [祥伝社]、『アメリカに潰された政治家たち』 [河出書房新社]、『平和を創る道の探求』 [かもがわ出版] など著者多数。