年をとったら、ヨロヨロと下り坂を楽しめばいい。
落ちめの快感は、成り上りの快感に勝る――。
作家・嵐山光三郎が語る“すくすく老いる”ための秘策。
【構成】
第1章 すくすくと老いていく
第2章 老いの流儀
第3章 下り坂の極意
第4章 人生最後の愉しみ
※第2章、第3章は終刊した「週刊朝日」で
26年間続いた人気連載「コンセント抜いたか」の内容より選び、
加筆・修正した作品を新たに構成しました
(本文より――)
いま、町にあふれるジジイ指南書は、そのほとんどが上昇志向である。
なんらかの形で上昇し、難しい坂を登りきろうという発想で下降志向のものがない。
下り坂がこんなに楽しいのになぜなのだろうか、と考えた。
人間は、年をとると、「まだまだこれからだ」とか「第二の人生」だとか、
「若いモンには負けない」という気になりだし、
こういった発想そのものが老化現象であるのに、それに気がつかない。
年をとったら、ヨロヨロと下り坂を楽しめばいい。
落ちめの快感は、成り上りの快感に勝る。
武者小路実篤の語録に、“桃栗三年柿八年 だるまは九年 俺は一生”がある。
ここにある発想は持続する不屈の意志である。
時流などはどうだってよい、退歩しつつ、自分の思った通り生きるという姿勢である。
「楽しみは下り坂にあり!」
定価 : 950 円+税
[ISBN] 978-4-8470-6712-9
[発売日] 2025-02-10
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