なんでもない日々の雑感
プラスアクト
(2010年11月19日 11:29) |
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みなさんこんにちは。(田)です。
先日(服)が提唱した「こんにんは!」は、まったく流行る気配がありません。
本人も記しているように「バタバタ」していたせいで自分を見失っていたのでしょう。
HPのリニューアルに奮闘した(池)のエディターズダイアリーに目を通すと、
この人もどうやら「ドタバタドタバタ」していたようです。
だいたいにして雑誌の編集部というものは、残業も遅く(その分出社は遅いですが)、
休日出勤も当たり前(平日に堂々と試写会に行ける自由は置いといて)。
まあ貧乏暇なしとはよくいったもので、なんだかんだ我々もあくせく働いております。
それにしても、人はしばしば「バタバタしている」と口にするものです。
「忙しい」と言い切ってしまうと、相手にキツイ印象を与える気がしますが、
「ちょっとバタバタしていまして」という言い方は、やんわりとしているので
僕も仕事の場面でことあるごとに使ってしまいます。オブラートに包みながらも、
「バタバタしている」と自己申告すれば、「ああそうか、なら仕方ない」と
思わせる不思議な力があり、他人に対してある種の拘束力を発揮します。
そんな便利な言葉は、ほかにそうありません。
だけど、使い方には注意すべきです。
例えばタクシーに乗るとき......。
「どちらまで?」
「恵比寿までお願いします」
「いや、ちょっとバタバタしておりまして」
そんなタクシー運転手はとても嫌だし、「バタバタ」した結果、
恵比寿でなく海老名に行かれても客は困るというものです。
コンビニで弁当を買う際、店員とこんなやり取りになったらどうでしょうか。
「温めますか?」
「お願いします」
「すみません、ただいまバタバタしておりまして」
挙げ句、弁当と一緒に買い求めた「ガリガリ君」のほうを温められたら、
そこは自由に激怒していいタイミングに違いありません。
当たり前ですが、「ガリガリ君」は確実に溶けます。
そこで店員は低頭してこう言うのです。
「大変申し訳ありませんでした。ちょっとバタバタしておりましたので」
バタバタしたタクシー運転手は恵比寿と海老名を間違え、
コンビニ店員は弁当の代わりに「ガリガリ君」を温める。
バタバタしている人間が及ぼす諸問題には、思いのほか根深いものがあり
そんな状況の前で、人は実に無力なのです。
担当(池)からエディターズダイアリーをせっつかれ......。
「今、バタバタしててさ」
たとえそう口走ったとしても、
「だからなんなの?」
と冷たく返されるに違いないので、黙って働くことにしています。
「バタバタしている」がまったく効果を示さない職場でございます。
そんなわけでプラスアクト編集部では「バタバタしている」という言葉が
流行ることはありません。「こんにんは!」と同じくらいに。
(田)