現在放送中のドラマ『残念な夫。』で、ピアノバーの店員・久保田航を演じている若手俳優・森下大地。2014年9月、ドラマ『金田一少年の事件簿N(neo)』で俳優デビューを果たし、今作がドラマ2作目の出演となる森下だが、「緊張はあまりしないんです」と口にするほど、16歳とは思えない落ち着いた存在感を醸している。実年齢よりも年上の役柄に挑む彼が、どんな風に撮影に臨んでいるのか、そして、デビューのきかっけについて聞いた。
撮影/吉田将史 文/渡邊美樹
――撮影は何話くらいまで進んでますか?
「5話まで進んでいます」
――ドラマを拝見してますが、今後どうなって行くのか展開が気になるところです。撮影の現場は慣れましたか?
「なかなか慣れません」
――緊張されますか?
「緊張はしないんですけど、慣れないというか…。まだドラマの現場をあまり経験していないので、空気感に慣れません。デビュー作のドラマ『金田一少年の事件簿N(neo)』とは全く違うし、奥が深いなと感じてます」
――作品も出演者もガラッと違いますしね。役柄も実年齢よりも上ですからね。
「そうですね、4つ上の20歳の設定です」
――しかも、ピアノBARは知らない世界ですよね。
「はい、全然わかりませんでした」
――今回の役をやるにあたって、何か参考にしたとか、見たものなどはありますか?
「まずは、ピアノBARとはなんだろうとインターネットで検索して、こんな雰囲気か…というところから見ました」
――では、特に実際にお店に行くという訳ではなくて、自分の想像から膨らませていった感じなんですね。
「そうです」
――そこで、生田絵梨花さん演じる細井美香とどうドラマが展開していくのかが見どころだと思いますが、生田さん以外の方との共演シーンはありますか?
「今日、初めて色んな方と共演させて頂きました。事務所の先輩の玉木宏さん(榛野陽一役)や、林遣都さん(浜中遼役)、岸谷五朗さん(細井茂役)などと、セリフを言い合うという感じではないんですが、一緒にお芝居をさせて頂きました」
――みなさんと一緒の現場はいかがでしたか?
「特に大勢だからという気負いのようなものはなかったんですが、いつもは生田さんとふたりで落ち着いたシーンばかりだったんです。でも今日の現場はスタッフさんの盛り上げ方が凄くて(笑)。ほかのみなさんのシーンは笑いが絶えない感じで、僕のシーンはあまり笑いがないシーンだったので、特にそう感じました」
――そうですね、森下さんと生田さんのシーンは温度が低めですよね。『金田一少年の~』とは、だいぶ違いますね。今回のドラマの出演者の中では、森下さんが最年少ですか?
(スタッフ)「華ちゃん(陽一と知里<倉科カナ>の赤ちゃん)がいますね(笑)」
――あ、最年少は華ちゃんですね!
「生田さんは僕よりもふたつ上です」
――実年齢は逆なんですね。今回、事務所の先輩でもある玉木さんが主演を務められていますが、今回、玉木さんから何かアドバイスを頂いたりしましたか?
「アドバイスというアドバイスではないかもしれませんが、『ジャケットの第二ボタンを開けておくといいよ』とか、どうしたらよく見えるかというポイントを色々教えて頂きました。そして、明るく声をかけて頂き緊張をほぐして下さいます」
――今回、ドラマの出演が決まった時、どう感じられましたか? プレッシャーや不安はありましたか?
「いえ、プレッシャーはありませんでした」
――では、結構すんなりと役を演じられているんですか?
「はい。でも台本を頂いた時に、こんな感じになるのかな? と、頭の中で考えていたことと、実際の現場では雰囲気が違うこともありますし、セリフが変わったりして、最初に想像したシーンと違うこともあります」
――今ドラマの撮影を通して勉強になっていることはありますか? 刺激を受けていることなど。
「スタッフさんを含め色んな役割の方がいる中で、カメラの撮り方が意外と原始的だなと思いました(笑)。撮影する時に、カメラさんが跳び箱みたいなものの上に乗っかって撮っているんです。そして、撮影現場にあんなに人がいるとは思いませんでした(笑)」
――そういう意味でも色々と勉強になっているという訳ですね。では、役柄についてもお伺いしたいんですが、今回演じている航という役は、どういう人物だと想像していますか?
「口数の少ない寡黙な人だと思います」
――そういうキャラクターについては、監督とお話しをされているんですか?
「そうですね。寡黙なんだけど、周りの人達とは違った空気感を持っているような。航も音大を目指していたという設定なので、美香の気持ちをよく理解している人物だと話しました。また、僕が実際に5歳からヴァイオリンをやっていたので、これからの展開の中で演奏をしたり、自分の力が活かせることが出来たらいいなと思っています」
――そうなると、本当に実年齢よりも年上に見えないといけないということですよね。
「髪型は大人っぽくして頂いていますが、自分で見ていて20歳の雰囲気にはまだ足りていないなと思います。もうちょっとその雰囲気が出せるようにしたいと思って演じていますが、難しいですね」
(スタッフ)「でも、生田さんからは年下に見えないと言われてましたよね?」
「あ、言われました」
――身長が高いし、落ち着いてらっしゃいますよね。
「あ、ありがとうございます」
(スタッフ)「ひょうひょうとしてるし、あまり、キャピキャピしていないから…」
――それは、元々ですか?
「テンションを出そうと思えば出せるのかもしれないんですが、そんなに…ですね(笑)」
――それが、ドラマに活きるといいですね。
「でも、今日のお芝居は、ちょっと笑いのあるシーンだったので、いつものテンションとは違いました」
――今日のシーンがどんな風になっているか、楽しみです(笑)。では、森下さんご自身についてもお話しをお伺いしたいのですが、まず、俳優のお仕事を始めたきっかけはなんだったのでしょう?
「きっかけは、中学3年生のころにクラスの友達と芸能界に入れたら…みたいな話をしていて。それなら申し込んでみようということになって、インターネットで調べて応募しました」
――みんなで受けようと盛り上がったんですね。
「そういう話題をみんなでしたところまでで…」
――実際に応募したというのは、ひとりで。
「はい。本当に応募したのは僕だけだったかもしれません(笑)」
(スタッフ)「しかも、ご家族にも言わずに応募してきました。メールでの応募だったのですが、彼の応募にメールで返信をしたら、そのメールを見た親御さんがびっくりされて」
「親のパソコンから応募していたので」
――えー! それは、受かると思って…?
「受かるとは思っていなくて」
――それで、親には言わなくてもいいかと思って、黙っていたんですね。
「はい……」
――そしたら、まさかの…。
「まさかのですね」
(スタッフ)「直接お会いした時にお母様が『息子はそんな連絡をしていたのでしょうか?』と仰ってました」
――それから、実際に面談をされて受かって、芸能界に入るということに対して、ご両親は反対されなかったんですか?
「されませんでした」
――中学3年生のころですよね。
「はい、中学3年の終わりのころです」 (スタッフ)
「すぐに決まりました。うちだけ応募していたそうです」
――え!? 凄いですね! そこから、事務所に所属されたあとはレッスンなどをされて。
「はい、個人レッスンを受けさせて頂きました」
――それから、『金田一少年の~』に出演されるまでってどれくらいだったんですか?
「それほど時間はかからず、2カ月くらいだったと思います」
――早いですね! その時、驚きませんでしたか? こんなに早くテレビのお仕事が…って。
「はい、思いました!(笑)」
――そんなに早いと、実感はありましたか?
「確かにその時はあまり実感が湧かなかったんですが、オンエアを見た時は、やっぱりちょっと感動しました」
――今の事務所を勧めてくれたご友人も含め、事務所に所属することが決まったことや『金田一~』に決まったことを周囲に言っていなかったそうですね。さすがにテレビに出演したらご友人にもバレたと思いますが、何か言われましたか?
「色々と言ってくれるので、ありがたいなと思っています」
――「ずるい!」とかではないんですね。
「はい、多分、応援してくれていると思います(笑)」
――今後の目標はありますか?
「さっき言った、テンションではないですけど、色んな役を演じられるようになりたいです。役の幅を広げたいですし、学園ものの生徒役もやってみたいです」
――今回、年上の役柄が出来たということは、逆に同世代の役を演じることがテーマかもしれませんね。
「そうですね(笑)」
――未知なるポテンシャルをまだまだ秘めている感じがします。これからの活躍楽しみにしています!
「はい、是非よろしくお願いします!」