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インタビュー

清水富美加   (しみず・ふみか)

人気ドラマや話題の映画に出演するほか、クイズ番組の回答者など様々なジャンルで活躍の場を広げる清水富美加。現在は連続テレビ小説『まれ』に主人公・まれの幼馴染みで、生まれ故郷である能登を出て東京へ行くことを夢見る蔵本一子役として出演し、知名度は更に広まった。目まぐるしい毎日を送りながら日々成長を遂げる彼女に、仕事への取り組み方や、独特の感性で投稿をする話題のツイッターについて聞いた。

撮影/吉田将史 文/今津三奈

プロフィール 清水富美加(しみず・ふみか)


1994年12月2日生まれ。東京都出身。雑誌『ラブベリー』の専属モデル、『仮面ライダーフォーゼ』のヒロイン役で注目を集める。その後映画は『HK/変態仮面』『赤々煉恋』、ドラマ『リアル鬼ごっこ THE ORIGIN』『ペテロの葬列』『魔法★男子チェリーズ』、教養・バラエティー番組『テストの花道』『哲子の部屋』『デザインの梅干』などに出演、活躍は多岐にわたる。2015年は映画公開が続き『振り子』『ズタボロ』ではヒロイン役として出演、『龍三と七人の子分たち』ではキャバクラ嬢役に挑んだ。現在、連続テレビ小説『まれ』に出演中。

――『まれ』のオンエアは毎日ご覧になるんですか?

「毎日見ることが出来ないので録画をしています。先日はひとりでお酒飲みながら1週間分見ました。いいドラマだなーって」


――ここ最近、清水さん演じる一子ちゃんはヒロインのまれ(土屋太鳳)とケンカ中ですし、彼の圭太(山﨑賢人)とも上手くいっていないし、描いている夢は実現しそうにないし…。一子としてはつらいシーンが続いています。

「映画もドラマもお仕事なので、自分を中心に見ては“ああ、ここはダメだな、こうすればよかったな”と、思いながら見ることが多いです。『まれ』に関してもそういう視点で見ながらも、ひとりの視聴者としてもまれがどう成長していくのか、本当に夢を達成出来るのか…と思いながら見ているので、一子に対しても冷静に見ています」


――撮影は中盤を超えたころだと思いますが、連日撮影されてるんですか?

「もう2/3は撮り終えました。今は『まれ』づくしではありません。合間に『世界ふしぎ発見』の収録やラジオ収録に行ったりもして」


――『仮面ライダーフォーゼ』並みに連日撮影しているのかと思いました。

「あんなに忙しいのはこの先にないと思います。あのころのスケジュールは一番つらかったです」


――『まれ』はオーディションだったそうですが、受けた時に手応えはありましたか?

「手応えはなかったんですが、このオーディションの時はギラギラしていました。普段は弱気なことが多いんですが、『絶対にこの役、取ってくるから』とマネージャーさんに宣言したりして。受けたのはヒロインのオーディションだったんですが、結果ヒロインになれなかったことで、最初は落ち込みました。でも報告した父に『お前はまだ修業が必要だよ。いいところで勉強させてもらえるんだから頑張れ』と言われて、確かに自分は主役を張れる器じゃない。頑張ろうと気持ちが切り替わりました」


――やはり連続テレビ小説は特別な存在ですか?

「まずは自分自身をステップアップさせるきっかけにしたかったんですが、もうひとつ、どうしても受かりたい思いもあったんです。実はずっとお世話になっていたマネージャーさんが事務所を辞めて沖縄で働くことになって。その人に“富美加を育ててよかった”と思ってもらいたくて、そのためには沖縄でも放送されるNHKの朝ドラに恩返しの気持ちで出たかったんです」


――元マネージャーさんへの思いも相まって一子役を勝ち取った訳ですね。

「はい。だからオーディションで同席したライバル達には、相当ギンギン・ギラギラとして見えていたと思いますし、印象は悪かったと思います。自分でもあの時の私は嫌いですから(笑)。ほかの方が自己紹介している間も、課題の台本をどう演じるかを考えていましたし」


――オーディション台本の読み込みも相当なものだったんですね。

「同様に内容を詰めて、人物の背景やシチュエーションを想像しまくって。セリフが頭に入っていないと、言うことばかりに気を取られてしまうので、自分の力を出し切るために鬼練習しました」


――その鬼練習、具体的に教えて下さい。

「時間を費やし、役のバックボーンをきっちり考えて挑みましたね」


――では並々ならぬ思いで『まれ』の現場に入られたと思いますが、これまでとお芝居の取り組み方は変わりましたか?

「まず方言が初めてだったので、その練習から入り、台本に書いてある言葉を読み解きました。一子ちゃんは私と全然性格が違うので、どういうつもりでこの言葉を発したんだろう、一子ちゃんにとってこの言葉は、私にとってなんだろう…と照らし合わせ、感情を埋めていく作業をして。前は外枠から入っていたんですが、今回は言葉の順番や意味を台本をヒントに読み込み、感情の流れを考えました。相手からこの言葉を言われたから感情が上がる、下がる、とか。グラフみたいな感じで」


――監督など誰かに相談はしましたか?

「まずは自分の中で詰めて、リハーサルや本番で見て頂き、そこで何か言われたらそれを足して演じました」


――考える作業は自宅ですか?

「台本を憶えるのは家なので、だいたい家のリビングのソファーの上か、ベッドの上のどちらかです。台本とかに書き込むことはせずに自分の頭の中に入れていって。想像が広がり過ぎた時は紙に書くこともありますが」


――先程、演じている一子ちゃんは自分とは全然違うとおっしゃってましたが、どんな人だと思いますか?

「(じっくり考えて)生きづらい人だと思います。強気で、好き嫌いが分かれる感じ。どんどん自分の好きなこと、思ったことを口に出して、貪欲で推進力のある女の子。でも素直になれなくて、敵を作ったりこじれさせちゃったりして不器用だったり、いじらしいところがあってかわいいなと思ってます」


――そういう人が苦手な人もいると思いますが、“かわいい”と思っているんですね。

「最初に台本を見た時は、こういう風に自分がなるのはつらいし、勇気が必要だなとも思いました。だけど、意外に話しやすいし、ちょっと可哀相なところもあって可愛いらしいなって。そして危なっかしい子でもありますよね。夢に関して具体的じゃなく東京に行きたいだけだし、人に対して頑張れと言いつつ、自分の中での不安や焦りがどんどんたまって爆発させたりとか…。ずっと危なっかしいので、この先どうなっちゃうんだろうと、見ている側もハラハラしますよね」


――演じていてストレスの溜まりそうな気もしますが、大丈夫ですか?

「先日横浜篇の撮影が終わったんですが、それでだいぶ楽になりました。それまではつらかったです。本当に。一子ちゃんの感情を理解しているから、自分自身がつらい感覚になり本当にかわいそうだなと思って。そんな時は“なんでこういうことを言っちゃうんだろう…”と自分の感情で一子ちゃんを見ることで、だいぶ楽になりました。思い出しただけで泣きそうです…。ああ、涙が…(と一瞬言葉に詰まる…)


――本当に演じていてつらかったんですね。

「でも、思いが強いからこそ、失敗に対する焦りが大きい訳で、それは強い気持ちを持っている人だけのものだと思うんです。苦しいけど、人間らしいし、素敵だなと思いました」


――撮影現場には同世代、ベテランの先輩などたくさんいますが、現場ではどのように過ごされているんですか?

「みなさん、とても気さくに話して下さいます。私はどちらかと言うと控えめなほうなので…」


――今のインタビューの様子だと活発で積極的な印象がありますか。

「こうしてひとりで喋る場所が与えられていると、喋ろうと思うんですが、たくさんいると空気を読みすぎちゃうところがあって。お芝居の話をすることもありますし、差し入れが美味しいとか、ざつくばらんな会話です(笑)。太鳳ちゃんや、(みのり役の門脇)麦ちゃんは健康志向なので、健康について教えてもらうこともありますし、男の子はふざけていることが多いので、それを見ていたり。学校みたいな雰囲です」


――今後の一子ちゃんはどんなことになるのでしょぅか?

「大変です。本当に大変です。何回言えばいいの? ってくらい大変です(笑)。今の一子ちゃんはまれと違って、悪い感情もある子なんですが、一般的にはリアルな感情なので、それに共感してもらえたらいいなと思います。その子がどうやって人とかかわっていくのか、夢と向き合っていくのか。今後劇的な展開が待っているので、楽しみに待っていて下さい」


――2013年から、映画『HK/変態仮面』『赤々煉恋』、ドラマ『リアル鬼ごっこ THE ORIGIN』『ペテロの葬列』『魔法★男子チェリーズ』、などへの出演、今年は『振り子』『ズタボロ』でヒロイン役、『龍三と七人の子分たち』でキャバクラ嬢に挑戦するなど、たくさんの経験を積まれましたが、デビュー当時と比べて仕事の向き合い方は変わりましたか? 

「全然違います。あのころは高校生だったこともありますが、仕事に対しての重みは今のほうがずっと感じていると思います。出来ないと凄く落ち込むし、そういう自分を見ると前向きに頑張ろうとしているんだなと思ったり。そしてハタチになったので、自分で食べていける人にならなきゃと思うようになりました」


――しっかりされてますね。同世代の友達も同じような感覚ですか?

「今後どうやって食べていく? なんて話はしないのでわからないですが、みんな考えているんじゃないですか? ハタチだし。私はずっと続けてきたことが仕事しかないですし、大学も行っていないので、きっちり仕事をしないと親を安心させられないと思って。なんて社会人一年目みたいな発言ですね(笑)。実際問題、今芸能界を辞めてしまったら行ける大学もなければ就職出来る会社もないですから、頑張るしかありません」


――今はお芝居だけじゃなく、バラエティーからVJまで幅広くお仕事されています。元々色んなことに興味があったのですか?

「昔から漠然と芸能界に入りたいと思っていました。たまたま最初に頂いた仕事がモデルでスタートしましたが、ミスマガジンのグラビア、バラエティー、お芝居と、目の前の事だけを見て色んなことをやらせて頂きながら、やりたいことを探していたのかなと思います」


――どの分野でも大変器用な印象があります。

「そんなことはないです。毎回収録後はうちのめされています」


――用意されたセリフを言うのと、生放送で自由に話すのは全然違いますね。

「生放送では“今話しちゃダメだな”と考えちゃうとつい話に割りこめず、気づいていたら声を出していない! なんてことも。その度に、マイクつけている意味がないじゃん! と落ち込むこともあります」


――撮影現場でも空気を読んで周りを見ているとおっしゃってましたね。

「空気を読みすぎて読めていないタイプ!?(笑)」


――いえいえ、様々なジャンルの方が清水さんを起用したいと思っています。お芝居の面ではヒロイン役に抜擢されることが多くなりましたが、きっかけのようなものがあったのですか?

「目の前にあるオーディションと仕事をやってきて、こうしてやろうという気持ちはなかったのですが、上手くマネージャーさんが導いてくれたのだと思います。結果的に、今は『まれ』という王道なものと、真逆なとがったイメージの『ズタボロ』が同時に公開されたことで、どっちの役でも…というイメージがついたかもしれませんが、タイミングは偶然のこと。ラッキーでした」


――お芝居、バラエティーなど畑の違う現場に入る時、その現場ごとのモード、テンションはあるんですか?

「特になく、感情の動くまま、自然にしています。ただ、それぞれの現場で求められていることをしっかりやることは心がけますし、例えば、バラエティーでこれは聞かれるだろうと予想出来ることは、準備しておいたりするくらいです。そして笑顔でいることは心がけています」


――一番反省することの多い現場はどの現場ですか?

「どこの現場という訳ではなく、毎日です。帰り道に“この役立たずが…”と思いながら、自分の殻に閉じこもってしまうこともあります。緊張して喋れなかった、周りの目を気にし過ぎて出来なかったというのが一番嫌です」


――緊張はするんですか?

「どの現場で凄くしますが、前よりはよくなったと思います。去年のドラマ『ペテロの葬列』の時は、緊張しすぎて本読みで泣いちゃうくらいダメでした。その時、『集中するところは、人目を気にすることではなく、お芝居でしょ?』と言われてから、出来るように変わってきましたが、この前エキストラさんをたくさん入れたシーンを撮影した時は顔が引きつりまくって、声も小さくなってしまって。翌日は立て直して大丈夫でしたけど、まだまだダメですね」


――ところで、ツイッター、ブログ、いずれも面白いと話題ですね。自分から発信する表現もお好きなんだなと感じます。どういうタイミングで発信しようと思うんですか?

「コロッケ食べたいなと思ったらその思いを上げますし、仕事で上手くいかなくてなのか、嬉しくてなのか“うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ”と思ったらそう表現したり。素の感じでやりたいと思っているので、気持ちが動いた時です。あとは暇な時にあいうえお作文とか。面白いから…とかではなく、暇だからです(笑)。私は自由でいるのが好きなので、自分の場であるツイッター、ブログは楽しいです。って、私って発信するのが好きなんですね。今まで気づきませんでした。新しい自分に気づかせて頂きありがとうございます」


――(笑)。ツイッター、ブログに寄せられるみなさんからのリアクションも楽しいのではいなでしょうか?

「そうですね。この写真を見た人はこんな風に思うんだとか、リプライは全て見ていますし、リアルタイムで直接ドラマの感想など寄せられるのも楽しいです」


――なかなかゆっくり出来ないと思いますが、自由な時間はどんなことをしているんですか?

「今はエレキギターの練習です。休みの日はごはんを食べるのを忘れるくらいです。起きて眠いまま触っていたら、お昼も過ぎ夕方になって…なんてことがあります」


――1曲弾けるようにする…とか何か目標を立てて没頭しているんですか?

「いえ、単純に楽しくて、色んな曲を弾いたり、出来るようになりたいタッピング、カッティングなどの練習をしています。そういう好きなことに没頭する時間は、ストレス解消にもなりますね」


――いずれはそのギターの腕前を発表する場があるのでしょうか。

「ないです(キッパリ)。好き過ぎるので、これはビジネスにしたくないと思ってます(笑)」


――では最後に。今年も半分が終わろうとしていますが、今後の目標を教えて下さい。

「もっとお仕事をたくさんして有名になりたいです。マネージャーさんは一つひとつの仕事に対してきちんと説明し相談して下さった上で私を導いて下さるので、今まで通り、私は目の前にあることをきっちりやって行きたいです」


NHK連続テレビ小説『まれ』

脚本/篠﨑絵里子
制作統括/高橋練
プロデューサー/長谷知記
演出/渡辺一貴 一木正恵 西村武五郎
出演/土屋太鳳 大泉洋 常盤貴子 葉山奨之 田中泯 田中裕子 篠井英介 塚地武雅 ガッツ石松 鈴木砂羽 ふせえり 中川翔子 中村敦夫 板尾創路 山﨑賢人 清水富美加 門脇麦 高畑裕太 渡辺大知 ほか
(NHK総合)月~土 午前8時~8時15分、午後0時45分~1時(再)
(BSプレミアム)月~土 午前7時30分、夜11時~11時15分(再)
にて放送中

2021年01月
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