ファッション雑誌『ニコ☆プチ』の読者モデルを経て芸能界入りした上村歩未は、学業、部活、芸能活動と、忙しい日々を送る中学3年生。この度彼女が、映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』で演技に初挑戦した。初めての撮影現場で彼女が感じたこととは? 撮影の話から日々の出来事、毎週行なっているというお芝居レッスンについて、話を聞いた。
撮影/吉田将史 文/池上愛
――現在中学3年生ということですが、このお仕事をやるきっかけは?
「小学4年生の冬休みに家族みんなで原宿に遊びに行って、声をかけて頂いたことがあって。その時に“こういう世界もあるんだな”と思ってそこからファッション雑誌を読むようになりました。雑誌を読んでるうちにモデルに興味を持つようになって、小学生のころに『ニコプチ』という雑誌で読者モデルをやり始めたのがきっかけです」
――ファッションが好きなんですか?
「大好きです。お洋服を見るのが凄く楽しくて。お買い物に行くのも好きです」
――コーデも自分で考えているんですか?
「昔はお母さんが買ってきた洋服を着るだけだったんですけど、読者モデルをやり始めてからは意識するようになりました」
――ちなみに今日のファッションはどんなイメージで?
「モノトーンで統一しました(笑)。白や黒が好きなので、こういう色の服を着ることが多いです。でもスポーティーなものやかわいいものも大好きです」
――憧れのモデルさんはいますか?
「西内まりやさんが好きです。『Seventeen』が大好きで毎月読んでいます。西内まりやさんが着ているファッションもモノトーンが多いので凄く憧れますし、モデルだけじゃなくてお芝居や歌も歌われているので、尊敬しています」
――モデルのお仕事で楽しい部分はどういうところですか?
「夏に秋の服を着たり、冬なのに春の服を着たり、季節を先取り出来るのが楽しいです。もちろん寒かったり暑かったり大変なんですけど(笑)。あと、ファッションイベントに出演した時に、『写真撮って下さい』と声をかけてもらったのが嬉しかったです。私は読者モデルの経験しかないんですけど、専属モデルの方は凄くキラキラ輝いていて、そういう人達を見ていて“私もああなりたい”と思っていました。間近でモデルさん達を見られるというのも楽しかったです」
――お芝居には興味ありますか?
「あります。今事務所のレッスンでもお芝居を勉強しているんです」
――どんなレッスンをしているんですか?
「1カ月で3回レッスンを受けていて、毎月先生が変わります。1回目のレッスンでは、先生から台本をもらって、それを通して読んだり、グループを作って読み合わせをしたりします。2回目はセリフをみんなの前で発表して、先生からアドバイスをもらう。3回目は指導された部分を直せるように、もう一度みんなの前で発表するという感じです」
――なるほど。みんなの前で発表するのは、ちょっと緊張しますね。
「緊張します! 最初はみんなの前で発表するのが苦手で…挙手制で発表する時もあったので、なかなか手が挙げられませんでした。でも最近は徐々に楽しくなってきて、最初はまだ挙げられないんですけど、3番目くらいには『はい!』と手を挙げられるようになりました(笑)」
――楽しくなったのはどうしてですか?
「自分なりのやり方でセリフを言った時に、先生が褒めてくれたことが嬉しかったんです。先生に褒められたら、またがんばろう! と思えてきて。先生からのダメ出しもちゃんとメモを取って、次の発表までに直そうと意識するようにしています」
――褒められて伸びるタイプですね。
「はい(笑)」
――ちなみに最近では、どんな台本を読みましたか?
「最近は、ひめゆり学徒隊のお話でした。婦長さんと、若い女の子、男の子が出てきました。最初はひめゆり学徒隊がわからず、その台本で初めて知ったんです。先生が当時の時代背景などを教えて下さったんですけど、どんな感情で読めばいいんだろう? と考えこんでしまいました。その時は、周りの友達の演技や先生のアドバイスを受けながら臨みました」
――昔のお話だと言葉遣いも違ったりして、覚える大変なのでは?
「そうですね。憶えるのは結構得意なんですけど、忘れるのも早いんです。次のレッスンまで1週間空いているので、その間に忘れてしまうんですよね…。だから毎回覚え直さないといけません(苦笑)」
――映画『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』では初めての演技に挑戦されましたね。いかがでしたか?
「初めてだったので凄く緊張しました。短いシーンでもじっくり時間をかけて撮影されているのにびっくりしたし、たくさんの人が関わっているのにも驚きました。私はセリフのない短いシーンだったんですけど、何回も撮り直したので、本当に大変でした」
――どんなシーンだったんですか?
「セリフはなかったんですけど、ニッコリと笑いながら振り返るという動きがありました。そこが凄く難しくて。特に振り向く動作が上手く出来ませんでした。笑顔の表情もそうなんですが、笑いながらも目線は遠くで、顔の角度も決まっていたので、それを全部上手くやるのが大変で。本当に何回も何回も撮り直したんですけど、その度に、押井守監督が来て下さって『もう少し下を見ながら』とか『あまり瞬きはしないで』とか色々と指導してくれました」
――何回くらい撮り直したんですか?
「10回以上は撮り直しました。とても大変だったんですけど、1回1回をきちんとやらなければいけないんだ、細かいところまで気をつけなくちゃいけないんだなと、とても勉強になりました」
――素敵な経験になりましたね。ところで上村さんはテレビが好きとのことですが、普段はどんなものを観ているんですか?
「なんでも観ます。おうちに帰ったらテレビがずっと点いています(笑)。好きなドラマは毎週欠かさず見ていますし、バラエティー番組もよく観ます。前のクールだと、ドラマ『デート ?恋とはどんなものかしら?』は凄く好きでした。あと、『残念な夫』も欠かさず観てました。バラエティーは『アメトーーク!』が大好きです」
――学園ドラマなんかだと、同年代の女優さんが出演されてることもあると思いますが、意識しますか?
「そうですね。学園ドラマも興味があって、いつか出演してみたいなと思います。『GTO』が好きでよく観てました」
――どんな役をやりたいですか? たとえば優等生とか…。
「…いや、出来ない! 優等生は絶対無理です(苦笑)。ちょっと変わってる役をやってみたいかも。いつも教室の隅で音楽を聞いてるんだけど、実は、結構キーマン的存在だった! みたいな(笑)」
――最後に、いいところ持っていく役ですね(笑)。観てみたいです! では学業との両立で大変な部分もあると思うんですけど、今後チャレンジしてみたいことはありますか?
「勉強と仕事の両立をしっかりとしていきたいです。今年は受験生なので、テストもしっかりやらないといけないなって。お仕事はモデルだけにこだわらず、演技もしっかりやっていきたいなと思います!」