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インタビュー

松島庄汰   (まつしま しょうた)

公開直前の映画『ソフトボーイ』に出演する俳優・松島庄汰。この作品が映画デビューとなる彼は、何から何までが初めてづくし。そんな松島は、この作品を通じて何を感じ、学びとったのか? 10月に公開の『大奥』も含め、彼のフレッシュなインタビューをお届けします!

プロフィール 松島庄汰(まつしま しょうた)


1990年12月26日生まれ、兵庫県出身。2007年、アミューズ30周年全国オーディションにて、準グランプリを受賞し芸能界入り。第9回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞『臨月の娘』に出演。『ソフトボーイ』(10年)で映画デビュー。同年には『大奥』が公開待機中。また、昨年も大好評だった「THE GAME~Boy's Film Show~」にフィルム出演決定。


http://boysfilmshow.jp/


松島庄汰 公式ブログ


http://ameblo.jp/matsushima-shota
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── 『ソフトボーイ』の公開がいよいよ迫って来ました。今どんな気分ですか?

「初めての映画になるので、非常に楽しみですね。ほんとに何から何まで初めてだったので…。最初は台本の読み方もわかりませんでした。どう気持ちを入れていいのかわからなかったし。でも内容は凄く面白くて、これが映像になったらどうなるんだろう? って思いながら撮影したのを覚えています」


── 撮影初日のことは覚えていますか?

「タイヤ引きのシーン……いや、キャッチボールのシーンです! 特にセリフはなかったんですけど、その日の前夜は緊張しましたね。ただ、キャストの方々とは、撮影の1カ月前くらいからソフトボールの練習をしていたので、既に仲がよくて。出演者の方々を全然知らないという状態で撮影に臨んでいたら、もっと緊張していたかもしれません」


── 練習はどんなことをされましたか?

「日本体育大学のソフトボール部の方々に手伝って頂きました。早朝に集合して、走り込み、キャッチボール、バッティング練習…。ほんとの部活練習みたいでしたね」


── ソフトボールの経験は?

「学校の授業で少しだけ。僕、学生時代ハンドボールをやってたんですけど、ボールの投げ方に、ハンドボールの癖が出ちゃって。プロデューサーさんに何回も怒られてました」


── 指導の方ではなく、プロデューサーさんなのですね(笑)。

「凄く熱い方なんですよ。映画への思い入れが凄くあって。現場にユニフォームを着て来られたんで、ほんと部活の監督みたいな(笑)。1泊だけ合宿もしたんですけど、その時のランニングは、先頭を切って走ってらっしゃいました」


── プロデューサーなのに…凄く素敵じゃないですか。

「そうですね。でも僕、プロデューサーさんが何をしている人なのか、それすらわからなかったんです。だから台本にラインプロデューサーとか、色んな役職の方が書いてありますけど、"この人は何をする人なんだ!?"って、そこからのスタートでした(笑)」


── 初めてだからこそ、色んな思いがあったと思うのですが、芝居をする時に、何に落ち込んで、何に感動して、何に関心がいく…とかありましたか?

「落ち込んだのは、台本を読んでこんな風にやろうと思っていたことが全然出来なかったことです。あと、目が行くのは賀来さんと永山さんの演技。ふたりが演技しているのをずっと見てました。あぁ、ふたりはこうやるんだなーって。それと、よく注意を受けたのは立ち位置ですね。よく"抜けてない"って注意されていました。でも僕には"抜けてない"の意味がわからないんですよ(編集部注:「抜け」とは、カメラが向いている方向の背景が鮮明な状態を指す)。カメラのレンズが僕のほうに向いていれば、普通にそのまま僕が映っていると思ってたんですけど、そうじゃないってことを初めて知って。メンバーが沢山いる中で、僕が後ろの遠い位置に立っているシーンの時に、よく"抜けてない"現象が起こりました。あと試合のシーンは、"もっと叫べ!"って言われましたね。僕はセンターを守っていたんですけど、球場での撮影は、広すぎてセンターまで指示の声が届いてこないんですよ。それで"聞いてるのかー!!"って何回も怒られて(笑)。でも"聞こえませーん!"なんてとても言えなかったので、こんなこと言ってるのかな~と考えながらやってました(笑)」


── 想像ですか!?

「あの時、もう少し聞いておけばよかったです(笑)」


── では、嬉しかったことはなんでしょう?

「嬉しかったのは……色んな方々に手取り足取り教えて頂いたことです。賀来さん、永山さんはじめ、監督やカメラマンさん、助手の方…。ほんとに勉強させて頂きました」


── 実際に出演して、驚いたことはありますか?

「音楽の入れ方はびっくりしました。撮影した映像に、こうやって音が乗るんだな~とか。あとは、夜撮影したシーンが昼間みたいに明るくなっているシーンもあって。こんなことも出来るんだと驚きました。撮影中に驚いたことは、こんなに同じシーンを撮影するんだということ。しかも時系列通りに撮影するのではなく、撮れるシーンからバラバラに撮影しますから、繋がりも気にしなきゃならないですし。今まで普通に映画を観ていた時は何も考えず観てましたけど、こうやって撮影を経験したあとに映画を観ると、"このシーンは撮影が大変だっただろうな"とか"何回も同じ撮影したんだろうな"とか、考えるようになりました。『ソフトボーイ』に雨のシーンがあるんですが、寒い中何度も撮影したんですね。だから、ほかの映画で雨のシーンがあったら、"寒かっただろうな"って、きっと思いながら観ると思います。あと、これは一番感じたことなんですが、役者よりもスタッフさんのほうが忙しいってことです」


── おぉ~!

「いや、ほんとそうですよ! 僕は今まで役者しか忙しくないって思ってたんです。でも実際に一番忙しいのはスタッフさんですよ。みんな死ぬ気で頑張ってらっしゃいました。僕らが"疲れた"とか"眠いな"とか言っちゃいけないなと。だからポスターやパンフレットに入るクレジットも、僕らよりスタッフさんの名前を大きくしてほしいくらいです。ちょっと僕的には、スタッフさんの小さい文字が気になりますね」


── 凄く貴重な経験になりましたね。ほんの少ししか映画に参加していないような状況だったら、きっとそんな気持ちにも気付けなかったと思いますよ。

「そうですね。たくさん吸収することが出来ました。それにいつも9人でいたので、自分の撮影じゃない時もほかの出演者の方々のシーンを見ることが出来て。それも凄く勉強になったと思います」


── 『ソフトボーイ』では、舞台挨拶も経験されましたね。

「本番は全然緊張しなかったんですけど、待ってる間は凄く緊張しました。舞台挨拶も初めてだったので、どんな感じなのかわからなくて。みんなに映画を観てほしい! という気持ちよりも、申し訳ないんですが"舞台挨拶ってなんだ?"という気持ちのほうが…(笑)」


── お客さんの反応が気になったりしませんでしたか?

「気になりました。僕が(関係者達だけの)試写を観た時、一緒に観ていた方々があまり笑ってなかったんです。面白いシーンでも反応が薄かったので、これは大丈夫なのか? って少し不安になって。だから一般のお客さんが、どこで笑って、どこで感動するのか、そこは凄く気になります。何人かのキャストの方達は、会場のうしろのほうで観てたらしいんですよ。僕は観れなかったので、お客さんの反応がわからなかったのは残念でした」


── 劇場には足を運びますか?

「行くと思います」


── 客観的に観れますか?

「いやっ!! 観れないです! 試写の時も自分のシーンは恥ずかしくて観れませんでしたし。僕の出るところは、目を瞑ってましたから」


── それじゃあ自分のシーンが観れないじゃないですか(笑)。

「だからあと2~3回は観ないと…客観的には無理だと思います」


── 目を開けたシーンはあるんですか(笑)。

「唯一開けたのは、試合のシーンくらい。あそこは演技してる感じじゃないし、僕の出てないシーンもありますし…。なんか映像で観ると、自分の顔が思ってる顔と違うんですよ。ここまで違うのかって…もう恥ずかしかったです。あと声も違ったので、ほんとは耳も塞ぎたかったんですけど」


── 自分の写真を見るのは平気なんですか?

「最初はそれも無理でした。でも今はだいぶ慣れてきて、こういう表情をするとこう映るんだっていうのが、少しわかるようになってきましたね。写真でも僕が鏡で見る顔と違ってはいるんですけど。だからマネージャーさんや友達に、"僕ってこんな顔?"ってよく聞くんです(笑)」


── 松島さんには、ご自分の顔がどう見えてるんですか?

「なんかこう……写真だとヌメッとしてるんです。あと、声はちょっと不思議な感じ。こんなに高い声だっけ? って」


── なんだか、初々しい話ばかりで貴重です(笑)。

「早く慣れたいです。そうしないと、いつまで経っても僕の出演する映画が観れないですから!」


── では『大奥』のお話も少し聞かせて頂けますか? 松島さんにとって2本目の映画出演作ですね。

「こんなに豪華なキャストの方々と仕事が出来て、ほっんと幸せです。でも、そのぶん不安もいっぱいなんですけど」


── 松島さんが演じる柏木は、容姿端麗な役ですね。

「そうなんです! だから余計プレッシャーで。緊張しながら撮影しています」


── どんなことに緊張しますか?

「時代劇なので、『ソフトボーイ』のような演じ方をしてもダメだなと。どうやったら時代劇の雰囲気が出せるのかというところが、難しくて。ちょっと撮影が怖いんです。あと、金子(文紀)監督から、柏木は家柄がよくてしっかりしたイメージのキャラクターと聞いたので、どういう風に演じればそう見えるのかを考えながら、今は演じています。マンガ原作もあるので、それと一緒にしていいのかというのも悩みますが、原作は何度も何度も読み返しました。あとは、僕の性格のまま演じてしまったら絶対ダメだと思ったので(笑)、友達で落ち着いている子がいたら、その子をイメージしてみたり…。でも時代劇なので、そのまま演じてみてもダメなんだろうな、と考えたり、ほんとに試行錯誤です」


── そういう作業は楽しいですか?

「楽しいです。でも難しくもあります。立ち居振る舞いも、大奥にいた人だから余計にしっかりとしなければいけないですし。悩むことも楽しいですけど、ちょっと怖い気もしますし…。色んな感情がありますね」


── 時代物ですけど、髷(まげ)ではないのですね。

「そうなんですよ。だから僕、髪を伸ばしてるんです。僕のは半かつらですね。大奥の世界って、自分をもっとかわいく見せたい、若く見せたいというところがあるので、髪を剃っている人は少ないみたいです。まだかつらに慣れていないんで、しょちゅう頭をぶつけています(笑)。撮影場所は、かつらをつけていない状態でも頭をぶつけそうになる程低いンです。だから(腰を低くかがめて)いつもこうやって歩いていました。かなり心配性なんで、僕。当たらないように当たらないように、下げ過ぎだろうっていうくらい、頭を下げて歩いています(笑)」


── 『大奥』は目を瞑らずに観れそうですか?

「ははは(笑)。瞑らなくてもいいように、今は精一杯頑張ります」


作品紹介『ソフトボーイ』

監督/豊島圭介

脚本/林民夫

出演/永山絢斗 賀来賢人 波瑠 大倉考二 加治将樹 中村織央 斉藤喜樹 西洋亮 加藤諒 松島庄汰 タイラー ほか

配給/東映

牛津学園の調理科に通うオニツカ(永山絢斗)の将来の夢はフレンチのシェフになること。そんな夢を胸に平凡な高校生活を送っていた。ある日、幼馴染みでお調子者のノグチ(賀来賢人)の思いつきに付き合うことになる。それは、男子ソフトボール部を作って全国大会に出場すること。男子ソフトボール部が佐賀にないのをいいことに、自分達でソフトボール部を作れば自動的に全国大会に進める…というのがノグチの案だった。その誘いにのったオニツカは、圧倒的に女子の多い学校の中で、男子を集め、夢の全国大会へと邁進していくはずだったのだが…。

6月19日より全国ロードショー

(C)2010「ソフトボーイ」製作委員会

公式HP:http://www.softboy.jp/


作品紹介『大奥』

原作/よしながふみ『大奥』(白泉社刊)

監督/金子文紀

出演/二宮和也 柴咲コウ 堀北真希 大倉忠義 中村蒼 玉木宏(特別出演) 阿部サダヲ 和久井映見 佐々木蔵之介 ほか

配給/松竹 アスミック・エース

江戸、徳川の時代。男性だけを襲う謎の奇病によって、男性の人口が女性の1/4にまで減っていた。将軍は代々女性が受け継ぎ、大奥には彼女に仕える3000人の美男子がつめていた。今、一人の若き侍・水野祐之進(二宮和也)が大奥の扉を開けようとしていた。

10月1日全国公開

(c)2010男女逆転「大奥」製作委員会

公式HP:http://ohoku.jp/

2024年04月
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