プラスアクト

インタビュー

相葉 弘樹   (あいば ひろき)

歴史を真面目に面白く作り上げるバラエティー初の試みといえる『戦国鍋TV~なんとなく歴史が学べる映像~』。昨年4月より、tvk・チバテレ・テレ玉・サンテレビにて放送がスタート。織田信長や上杉謙信などの名武将からマイナー(?)武将まで、歴史上の人物達をコント仕立てで取り上げるという斬新な試みで注目を浴びた。更に年末には『大戦国鍋TV』として特別番組も放送され、ますます人気が高まっている。そんな『戦国鍋』の舞台化決定。『新春・戦国鍋祭~あんまり近づきすぎると斬られちゃうよ~』が上演される。第一部は賤ヶ岳の戦いの前夜を描いたオリジナルストーリー。第二部は、ミュージック・トゥナイトと銘打った、戦国アイドルたちによるミュージックLIVEが行なわれるという。全くの予想不可能なこの舞台。都内某所の稽古場にて。遠くから劇中のセリフや掛け声が聞こえる中、舞台の座長を務める相葉弘樹に、舞台版『戦国鍋』について、話を聞いた。

文/池上愛

プロフィール 相葉 弘樹(あいば ひろき)


1987年10月1日生まれ、千葉県出身。03年、第16回『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』審査員特別賞を受賞して芸能界入り。05~07年ミュージカル『テニスの王子様』の不二周助役で注目を浴びる。09年より『侍戦隊シンケンジャー』に池波流ノ介(シンケンブルー)役で出演。近年の活動には、舞台『天聖八剣伝』、『abc★赤坂ボーイズキャバレー』、『SAMURAI7』などがある。

── あの『戦国鍋TV』が舞台になるのを聞いて、いかがでしたか?

「正直、何をやるんだろうって全く想像がつきませんでした(笑)。脚本が出来上がるまでは、ほんとにどうなるんだろうと。読んでからは、"あぁ、なるほどね。こういう感じになるんだ"と少し安心しました」


── 舞台の内容について、少し教えていただけますか?

「物語は賤ヶ岳の戦い(1583年)をモチーフにしています。僕の演じる役は、前田利家。父親のように慕っていた柴田勝家(大和田獏)と、苦楽を共にしてきた親友の羽柴秀吉(村井良太)が争いを始めてしまい、どちらにつくかで葛藤するという役です。今までは3人仲がよかったのに亀裂が入ってしまって、今まで同志のように接してきた人と敵同士になってしまうかもしれない。なんとか戦いを止めさせたい、ふたりを和解させたいという思いで悩むという役です」


── 部屋の隅に舞台の小道具らしきものが見えるのですが…、もしかしてあの有名なキャラクターの被り物ですか?

「そう。あの作品なんです」


── 今回のパロディーはあの有名なSFですか(笑)。

「はい(笑)。宇宙が舞台になってるんです。惑星シズーガとか惑星キターノシオとか出てきたり、イメージした武器も登場します」


── 謎のセリフが書かれた張り紙がありますけど、これは…?

「あぁ、これ歌の歌詞です(笑)。ある作品のパロディーで、みんなで歌って踊ります。完全なるパロディですね(笑)。きっとほかの舞台じゃここまでやらないですよね。だってこんな露骨に……うん、露骨にパロディーはやらないと思う(笑)」


── パロディーをやる側としての気持ちは、どんな感じなのでしょう? やってやる! みたいな感じなのでしょうか?

「やってやるではないです。僕はさらっと……しれーっとやっています(笑)。ただ、僕の役柄はストーリーの軸になっている役なので、そこまで突拍子なことはやらない。笑える部分は、周りのみなさんにお任せして、僕はストレートに演技することが多いですね」


── 稽古真っ只中ですが、手ごたえはいかがですか?

「時間があまりないんですよね。練習が出来ていないし、かといって初日は近づいてくるし…という焦りもある。だから、実は初日が少し怖いです。無事に幕が開けられるかなっていう」


── 稽古はどれくらい進んでいるんですか?

「2週間くらい稽古してるんですが、まだ全員キャストが集まってないんですよねぇ」


── そうなんですか!

「もともと稽古期間が1カ月もなくてタイトなスケジュールだったんですけど、なかなかキャストが集まらないんですよ。キャストが全員揃うのが、年を明けから数日だけなんです」


── それはそれは…。1月7日の公演初日ギリギリじゃないですか。

「そう(笑)。だからまだ全体が掴めていないんですよ。色んな人が誰かしらの代役をやっている感じなので。第二部はミュージック・トゥナイトっていうライブ構成になっているんですが、これに関してはまだ一度も稽古していな状態なので…。歌って踊ることはわかるんですけど、トークはどうするんだろう? 流れはどうなるのかなっていう(笑)」


── ドキドキですね。

「はい。でも、逆にみんなが揃った時のパワーは物凄いんじゃないかなって思っています。まだ未知数でわからない部分が多いですけど、そのぶん、メンバーが揃った時の勢いや、このチームでしか出せない味だったり。だから楽しみでしょうがないです。僕も含めて、きっと調子を上げてくるだろうし。僕らの力はこんなもんじゃないだろう、まだまだだろうって感じです」


── キャストの方々も年齢層が幅広いですから、化学反応が起きそうな気がします。

「下は中学生から、上は獏さんがいらっしゃいますからね。ふた周り以上違いますし。今回のキャストは色とりどりで、個性の強い方が勢ぞろいしているんじゃないかな。みんな面白い方ばかりで、飽きないですよ」


── だからこそ、メンバーが揃った時の力がどんなものか気になりますね。

「残された時間は僅かですけど、限られた中でどこまで発揮出来るのかにかかっています。いいチーム感を出せたらいいですね」


── それにしても、第一部は舞台、第二部がライブパフォーマンスという構成も面白いですね。

「二部に関しては、舞台を観に来た感覚じゃないほうがいいかもしれません。物販にウチワやペンライトも販売しているので、お客さんは立ってノリノリで観てもらえれば嬉しいです。祭りの気分で、僕らと一緒に盛り上がってもらえればなと」


── お客さんにとっては演技も見ることが出来て、更に歌も聴けて二度おいしいですね。

「こんな舞台の構成もあるんですねぇ…ほんと面白いです」


── 前田利家は歴史上の人物ですが、彼について勉強はされたのでしょうか?

「ウィキペディアで調べたくらいです(笑)」


── あまり歴史には興味ない?

「苦手なんですよね…学生時代はほんとに興味がありませんでした(笑)。だから、この作品を通して学ぶことが多いです。こういう出来事があったんだ、こんな人がいたんだなぁって」


── 描き方は面白いですけど、ポイントポイントで歴史の流れを押さえていますよね。

「そうなんです。表現の仕方が違うだけで、歴史の流れには沿っているんですよ。それを面白おかしく描いている。血なまぐさい戦いを、どこかで見たことのある設定で描いているんです」


── 歴史を知らない人でも楽しんで観れると思います。

「今回は、語り部として大堀こういちさんが入っています。物語を説明しながらストーリーが進んでいくので、きっとわかりやすいと思いますよ。物語の結末も、腑に落ちない感じにはならないはずです。なるほどなって頷ける作品だと思います」


── テレビの『戦国鍋』と今回の舞台は、相葉さんにとっては別物の感覚ですか?

「全然違いますね。僕は別物として考えています。前田利家というキャラクターを演じるのは、今回の舞台が初めてですし、テレビではなく舞台の見せ方がありますから。だからあまり、『戦国鍋』というのを意識していないかもしれません。今までの舞台と同じ気持ちで稽古していますね」


── 本日から殺陣の稽古に入るとか。

「そうです」


── 2010年は侍物の舞台作品の出演が続いていましたが、殺陣の練習も多かったんじゃないですか?

「そうなんですよ。どの舞台も殺陣があって。6月に『天聖八剣伝』という舞台をやらせて頂いて、だいぶ特訓しました。11月から12月にかけて出演した『SAMURAI7』では、槍にも挑戦したんですよ。刀はあっても、なかなか槍の殺陣をやることはないと思うので、貴重な体験でした。凄くいいものを身につけられたなと思ってます(笑)」


── 2010年は、相葉さんにとってどんな年でしたか?

「2010年は色々と考える年でしたね」


── 色々というのは?

「役者としてどうしようかなとか、自分は一体何をしていきたいのかなって。まぁいつも考えていることはあるんですが、いつも以上に考える1年だったというか…。改めて考えることが多かったような気がします」


── その答えは見えそうですか?

「そうですね。どんどん前に進んで生きたいなって思っています。それは舞台でも映像でもいいんですけど、とにかく結果を残したいなと。2009年は、シンケンジャーをやらせてもらって、2010年は舞台を中心に活動して。2011年は、自分がやりたいこと、感じたことをやれればいいなと思います」


── 具体的な構想はあるんでしょうか?

「ありますけど、それは敢えて言うものではないし、別に宣言するものでもないかなと思っています。だから自分の中で納得できれば、それでいいかな。まぁ、そこで納得出来なかったらそこまでなんですけど(笑)。進化し続けたい。そしてお客さんの期待にも答えたいですし、まだ僕を知らない人に、僕自身を知ってほしい。2011年は勝負の年だと思っています」


── 年明け早々、『戦国鍋』というパンチのある作品で、いいスタートを切れるんじゃないですか?

「ね~(笑)。ほんとパンチありますよね」


── では、最後に戦国鍋の舞台を観に来る方々へ、メッセージをお願いいたします。

「舞台を観に行くというよりも、お祭りに参加する気分で来てくれればと思います。明るい2011年を、一緒に笑ってスタートできたら嬉しいです。一緒に盛り上がりましょう!」



舞台『新春・戦国鍋祭~あんまり近づきすぎると斬られちゃうよ~』

演出 : 板垣恭一  脚本 : 穴吹一郎

出演:相葉弘樹 鈴之助 青山草太 小林且弥 寿里 平田裕一郎 井深克彦 岩﨑大 前川紘毅 今野良太郎 小林健一 富岡晃一郎 高木俊 佐藤貴史 佐藤匠 平岡拓真 篠崎友 大堀こういち/村井良大・石井智也・大和田獏

[東京公演]2011年1月7日(金)~1月16日(日) 全13回公演
会場 : サンシャイン劇場(東京) チケット料金:5,800円(全席指定・税込)
チケットのお買い求め:イープラス http://eplus.jp/nabe
tkvチケットカウンター 045-663-9999(オペレーター対応) http://www.tvkcom.net
お問合せ:る・ひまわり 03-6277-6622(平日11:00~19:00)http://le-himawari.co.jp/

[大阪公演]2011年1月23日(日)全2回公演
会場:梅田芸術劇場 シアタードラマシティ  チケット料金:5,800円(全席指定・税込)
チケットのお買い求め :梅田芸術劇場ホームページ、 チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、CNプレイガイド、梅田芸術
お問合せ:梅田芸術劇場 シアタードラマシティ 06-6377-3888  http://www.umegei.com/
主催/る・ひまわり、梅田芸術劇場

詳しい公演内容は公式HPでご確認下さい。(http://sengoku-maturi.sakura.ne.jp/

2025年02月
12345678910111213141516171819202122232425262728
« »


アーカイブ


最近のインタビュー記事