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インタビュー

平野 綾   (ひらの・あや)

アニメ専門チャンネル「カートゥーン ネットワーク」と、声優・平野綾がタッグを組む! ロックテイストの楽曲にのりながら、カートゥーンの大人気キャラクターを描くことが出来る絵描き歌『カートゥーン ROCKガキ!!』。『パワーパフ ガールズ』『おくびょうなカーレッジくん』『フォスターズ・ホーム』の3作品から、5キャラクターの絵描き歌を平野が披露する。力強い張りのある平野の声に合わせながら、かわいらしいキャラクターが描ける、新しい絵描き歌に注目だ!!

撮影/吉田将文  文/池上愛

プロフィール 平野 綾(ひらの・あや)


1987年生まれ、愛知県出身。1998年に児童劇団に入団。06年にアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の主役・涼宮ハルヒを演じ、大ブレイクを果たす。その後も『DEATH NOTE』(弥海砂)、『らき☆すた』(泉こ00なた)、『NANA』(芹澤レイラ)といった話題アニメに出演。一方でソロシンガーや、ドラマ、映画でも活躍。近年の出演作は、『ミューズの鏡』(12年)、『こんなのアイドルじゃナイン!?』(12年)など。舞台は『嵐が丘』(11年)、『戯伝写楽-その男、十郎兵衛-』(12年)、『ウサニ』(12年)。来年はミュージカル『レ・ミゼラブル』の公演が控える。
公式HP http://ayahirano.jp/

――海外アニメはお好きですか?

「小さいころに見ていて、凄く馴染みがあります。日本のアニメももちろん見てたのですが、アメリカのアニメを見てたなぁという印象ですね」


――何が一番印象に残っていますか?

「パワパフ(『パワーパフ ガールズ』)は、確か私が中学生のころに流行りだしたんです 中高生の女の子って、ステーショナリーグッズがかわいい子が多いじゃないですか。私の中学時代は、『パワーパフ ガールズ』のグッズを持ってるとステータスだったんです。“これ新しくない? 今流行ってるんだよ!”みたいな(笑)。“パワパフ知ってる?”って、よく自慢していました」


――『パワーパフ ガールズ』をはじめとした、カートゥーン ネットワークのキャラクターが絵描き歌になる。しかもそれがロック調でというのがとても面白いです。このお話を聞いた時はどう思われました?

「『パワーパフ ガールズ』は既に日本の制作でのアニメ化もありましたし、私はもう関われないんだろうなって思っていました。なので、まさかこういった形でしっかりと作品に関わらせて頂けることになるなんて、自分自身もびっくりです。“ROCKガキ!!”というネーミングもキャッチーですし、絵描き歌の定義を変えてしまったなぁと思います」


――インパクトのあるキャラクターを、この絵描き歌で描けるようになるのは、子供達にとっても凄く嬉しいことだと思います。

「そうですね。カートゥーンのアニメって描きたくなるキャラクターが多いんです。子供にもわかりやすいように、線の数も少なめに描かれているので描きやすいですし、どんな風に描いたらいいのかわからない子供達にとっての見本が出来たなと思います」


――平野さんは、この絵描き歌で描けるようになりました?

「絵描き歌を歌う前に、どれくらい難しいのかと思って試しに描いてみたんですけど、普通に描いたらとても難しくって! バランスの悪いキャラクターになってしまったんですが(苦笑)、歌を歌いながら描いてみたら、だいぶかわいく描けるようになりました。だけど、カーレッジ(『おくびょうなカーレッジくん』)は難しいですね~。すぐには描けないかも」


――確かにカーレッジが一番難しいかも。

「キャラクターの中では、ブルー(『フォスターズ・ホーム』)は簡単に見えるぶん、描く人によって個性が出ると思います。口の角度とか、目の位置とか絶対人によって変わると思う!」


――ロックで歌うことについてはどうですか?

「顔に星のシールを貼っているんですが、バンドのKISSをイメージさせますよね。私自身も歌手としてロックを歌わせて頂くことが多いですが、今回の曲はとても歌いやすく自分らしさも出しやすかったので、楽しい経験でした。絵描き歌と一緒に私が歌っている映像も流れるのですが、私の振り付けは全部アドリブ。こういう動きをすれば子供達に楽しんでもらえるかな? と考えながらやっているので、絵描き歌の参考にしてほしいですね」


――平野さんの歌声って凄く力強いので、ロック調がとても合っていますよね。

「ありがとうございます。力強く歌うこともそうですが、言葉がひとつひとつ聞き取りやすいようにも歌っています。子供達のガイドになるようにしなければならないので、その点は気を付けました」


――確かに。言葉の発音にも気を使ってるんですね。

「はい。ミュージカルで歌を歌う時、ストーリーやどの言葉が一番大事かということを考えながら歌うのですが、この絵描き歌も、それに近いものがありました」


――この単語ははっきり言おうとか?

「たとえば、絵描き歌のなかで丸をひとつ描く時でも、その丸が大きいのか小さいのかで、歌のニュアンスは変わってくると思うんです。歌だけ聞いても何をしているかわかるように歌詞に合わせて歌いました。子供番組のキャラクターの声もやらせて頂いているので、そこで気を付けているポイントが、今回にも活かすことが出来ました」


――子供向けのアニメでは、セリフの言い方も変わりますか。

「だいぶ変わります。最近の(日本の)アニメは、ブームな一方で子供向けアニメ少ないですから、昔の作品を思い浮かべて頂いたほうがイメージしやすいと思いますが…。もちろんドラマや映画でのお芝居とは違って、ナチュラルな演技とは程遠いかも知れませんね。子供向けのアニメでは、わかりやすいお芝居というのが第一にあります。子供に覚えてもらえるように、キャラクター設定を個性的にすることが大事ですね。視聴者の方からよく聞く感想のひとつに“うちの子は、○○のキャラクターが大好きでそればかり観てるんですよ”という声をいただくんです。子供って一度好きになったら、何十回も繰り返し観るらしいですよ。だからこの『カートゥーンROCKガキ!!』も、子供達に何度も観てもらえるように、印象に残るようにしたつもりです。そして絵描き歌をしっかりと覚えてもらいたいなと思います」


――確かに。小さいころだったり、青春時代に観た作品って何度も観返してるので、記憶にいつまでも残っています。

「音楽でもそうですが、よく聞いていた懐かしい歌を聴くと、その当時の思い出も蘇ってきたりしますよね。そういうのって凄く素敵だなと思いますし、アニメもそうであってほしいと思うんです」


――『涼宮ハルヒの憂鬱』(主人公・涼宮ハルヒの声を担当。この作品がきっかけでブレイクに。)の放送時、私は学生で本屋のアルバイトをしていたんですが、原作小説の売り上げが群を抜いていました。

「あのころから、一般の方にもライトノベルが浸透しだしたような気がします。私がハルヒの声を演じていたのは、大学1年生の時です。この時期から忙しくなっていたのでなかなか学校に行けなくて、仕事の合間を縫って通ってましたね。しかも大学が遠かったので、1講義のためにかなり時間くらいかけて通っていました。懐かしいです」


――昔の作品を見返すことはありますか?

「あります」


――作品が好きだから見返すんですか?

「もちろんそれもありますが、その当時の自分のお芝居を思い出すためにも見返しています。私が声優の仕事を始めたころのお芝居って、今では絶対出来ないんですよ。テクニックを持ちあわせてなかったので、気持ちで乗り切ろうとしていたころのお芝居していたんでしょう。今は技術が備わったぶん、あの当時の感覚は出せないんです。だから原点回帰することは大事だなと思います」


――粗削りな部分があるからこそ、よかったりすることってありますよね。

「そうですね。声質も今と昔じゃ全然違うんですよ。昔はどんな声をしていたんだろうと過去の作品を見返すと、 “うわっ、私こんな声出してたんだ!”ってびっくりすることが多くて。今と違う部分を発見すると、もう一度やってみたくなるんですよ。“あの時のこの部分いいな”って思ったら、今なら更に新しい何かをプラス出来るはずじゃないですか。だったら、今の私はあの時よりこういう表現が出来るようになるはず! って試してみたくなります」


――過去の作品を観ると恥ずかしくなったりしませんか?

「なります(笑)。でも、その恥ずかしさも楽しんで見ています」


――プラスアクトでは、俳優・女優の方々にお話を聞くことが多いのですが、平野さんのお芝居観についても聞かせていただけますか?

「もともと私は児童劇団の子役でした。演技を勉強したい、舞台に立ちたいという思いから劇団に入りました。私の中で一番比重を占めていたのが“演技”だったんですが、俳優としてのお芝居だけでなく、声優業やアーティスト活動など、様々なジャンルのお仕事をさせて頂いたからこそ、今の自分がいるんだなと思います。お仕事のひとつひとつが演技に還元されているし、今までやってきたこと全てが今の平野綾を構築したんです」


――子役からやられていたので、先輩方から吸収することも多かったでしょうね。

「そうですね。でも、夏に出演させて頂いた『ウサニ』という舞台では、年下の共演者もいたんですよ」


――真野恵里菜さんは年下ですか。

「主演の溝端淳平君も年下です」


――えっ!? 意外です(笑)。

「そうなんです。現場に年下が増えて、お姉さんの立場になってきました。今まで、特にアニメの現場では年上の方々とご一緒させて頂くことが多かったのですが、『ミューズの鏡』では、劇団員役の女子の中では最年長でした。それを知った時はびっくりして、少しショックでした(笑)。最近の子はみなさん大人っぽいですね!ドラマ『こんなのアイドルじゃナイン!?』では、遂に先生役でした(笑)。年齢的には先生役でも全然おかしくないんですよね。はい…年をとりました(笑)」


――そのぶん成長されたということですよ。

「そうだと嬉しいのですが(笑)。今の若い子達って、なんでもオールマイティーに出来る方が多いじゃないですか。本当に尊敬している年下の方々も多いんです。とても勉強になるし、刺激になっています」


――平野さんが今後チャレンジしたいことってありますか?

「『カートゥーンROCKガキ!!』もそうですが、せっかく海外のアニメのお仕事にも携わらせて頂いているので、もっと海外のアニメを学びたいなと思っています。そして日本のアニメも、今以上に世界に伝えたいなと。私に出来ることは限られいますが、海外のアニメコンベンションにも積極的に参加して、少しでも日本の文化であるアニメを普及させる役に立ちたいです」


――海外のファンって、日本のカルチャーに物凄く詳しいですよね。

「日本が大好きな方は、吹き替えがあっても日本語のまま見る方が多いんです。みなさん、日本語の理解力が凄い! 海外のイベントで私が日本語のまま話しても、理解してくださるんです。だからコンベンションに参加する度に、“これはいかんぞ”と痛感するんです。私達も海外の作品を知らなきゃいけないし、言葉を学ばなきゃって」


――声優以外にも、音楽・舞台など、これからさらに本格化していくそうですね。

「歌手としては、今年は2年ぶりにツアーを行うことが出来ました。来年にかけて音楽活動にかなり力を入れていくので、みなさんに知って頂く機会も多くなるよう頑張ります。そして、来年ついに、ミュージカル『レ・ミゼラブル』という舞台にも出演することになりました。子供のころからの夢だったミュージカル出演が叶い、今年は好きなことを全力でやらせて頂ける環境が整ったので、声優活動だけでなく、音楽や舞台などでも、たくさんの方に触れて頂いて、より多くの“表現”をみなさんに見て頂けたら嬉しいです」


カートゥーンROCKガキ!!

ロックテイストの歌にのってカートゥーン ネットワークの人気キャラクターを楽しく描くことが出来る、オリジナルの絵描き歌『カートゥーン ROCKガキ!!』。アニメ専門チャンネル「カートゥーン ネットワーク」が日本放送開始15周年を迎える本年、カートゥーンのキャラクターをより広く知ってもらうことを目的に、中でも特に人気の『パワーパフ ガールズ』『おくびょうなカーレッジくん』『フォスターズ・ホーム』の3作品、5キャラクターの絵描き歌が登場! 歌を担当するのは、声優・平野綾。楽しくアップテンポな声で‟ロックな絵描き歌”という新しいジャンルが誕生した。

アニメ専門チャンネル カートゥーン ネットワークにて毎日ランダム放送
http://www.cartoon.co.jp/pages/camp/rock

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