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インタビュー

柾木玲弥   (まさき・れいや)

ドラマ『高校入試』で、影を持つ中学生・田辺淳一役を演じ、俳優として注目を集めた柾木玲弥。物静かな印象のある彼が、今回、初主演を務める映画『ガチバンZ 代理戦争』でバット片手に人を倒していく最強のヤンキー役を演じる。不良役も主演も初めてである彼が、どんな心境で撮影に臨んだのか、また撮影を終えた今の感想を聞いた。

撮影/吉田将史 文/渡邊美樹 

プロフィール 柾木玲弥(まさき・れいや)


1995年3月24日生まれ、北海道出身。2009年、JUNONスーパーボーイコンテストで審査員特別賞を受賞。2010年に映画『冷たい部屋』で俳優デビュー。主な出演作にドラマ『高校入試』『みんな!エスパーだよ!』『お父さんは二度死ぬ』『明日の光をつかめ-2013夏-』などがある。舞台では、ミュージカル『テニスの王子様』青学VS聖ルドルフ、『bambino.FAINAL!~最終章~』などに出演。雑誌やCMでも活躍中。
公式ブログ http://ameblo.jp/masaki0324/

――この作品の初主演が決まった時の感想は?

「映画にはずっと出てみたいと思っていたので、出られると聞いた時は嬉しかったです。主演だと聞いた時は、プレッシャーというか、緊張はありましたが作品の名前も知っていたので、楽しみという気持ちも大きかったです。まさか自分がこの映画に出るとは思っていませんでした」


――不良役も初めてですよね?

「はい。だから、驚きました。そして、どんな不良なんだろう? って思いましたね。『アウトレイジ』の加瀬亮さんがやってらしたような、インテリ系なヤンキーなのかな? とか。色々想像していたんですけど喧嘩がめちゃめちゃ強い、ストレートな役だったので。そこにも驚きました」


――ヤンキーの世界を描いた映画はたくさんありますが、参考にしたものなどはありましたか?

「この作品のシリーズ自体、長く色んな作品が出ているので、それを観ました。あとは、この映画のためというわけではなくて、以前からこういう感じのヤンキー映画は好きだったので、『クローズZERO』の2作品も見てました」


――この作品に登場するヤンキーは、昭和的な風貌ですよね。短ランを着ている人は今いないんじゃないかって思うような。

「そうですね、僕もそう思いました。でも、この作品以前のシリーズでも、短ランとかボンタンとかを履いていて、それに違和感がないのが凄いと思いました。今こういう人たちはいないだろうなって思いますけど、作品を見ている時は、それだけで悪い風に見えるから違和感なくて」


――そうですね、この人達の世界観が出来上がってますよね。柾木さん自身はそういうキャラクターを演じるのは、抵抗はなかったですか?

「やっぱり、難しかったですね。自分の中で消化しきれないことはありました」


――それに、アクションも初めてですよね?

「はい、初めてです。でも、アクションのほうがやりやすかったですね。アクション以外というか、僕自身が声も低くないし、立ち方とか、歩き方とか、ヤンキーっぽくないのでヤンキーを演じるほうが難しかったです」


――今回は、やべきょうすけさんや、鈴之助さんという、ヤンキー役をよく演じられている方と共演されたわけですが、アドバイスをもらったり、参考にした部分はありましたか?

「そうですね、みなさん、それぞれと戦うアクションシーンがあったのでアドバイスはいただきました。この『ガチバン』シリーズに出ていた方なので、教えていただくことは多かったです。やべさんとのシーンの時は、凄いやりやすかったです。出す手を僕が間違えても、それを芝居の中でやべさんが修正して下さったりして。だから、本当に感謝してます」


――初めて共演する方と喧嘩シーンをやる場合、気を使ったりしてドキドキしたりすることがあるのかなと思うのですが。

「いや、そこは特に考えませんでした。アクションは気持ちだけでやったというか。それがいいことなのかはわからないですけど。だから、逆に当たっちゃったとか、思いきりバットが入っちゃったっていうのは結構あったので反省してます(笑)」


――自分でも攻撃しますが、相手の攻撃も受けるじゃないですか? そこは、怪我とかなかったですか?

「怪我はなかったです。もちろん、スタッフは怪我とかを気にされますし、怪我がなく終わるのが1番いいんですが、僕は本気で来てほしいって思いますね。思いっきりやられる方が、芝居はやりやすいです」


――アクションシーンに備えて、殺陣の稽古など準備はされたのでしょうか?

「一度だけ、アクションを付けて下さる方のところに練習に行って、そこで色々教えてもらいました。それで、家に帰って鏡を見ながら、どういう風にやったら不良っぽいかっていうのは意識しました」


――実際にヤンキー役をやってみて、難しかった部分はありますか?

「難しかったですし、演じづらかったです。普段、言い慣れない言葉が多かったので、言いにくいセリフもありました。でも、最初は言いづらいなって思ったセリフでも、徐々にちゃんと言えるようになったというか、役になった気がします。だから、逆にこういう演じづらい役ができてよかったです」


――今回演じられた剛毅という役は、悲しい過去を背負って人を信じられなくなってしまっているというキャラクターですが、監督とキャラクターの性格についてなどお話はされましたか?

「はい。やっぱり、なんでこういう風になったかっていう過去については、きちんと物語があるので。自分がしっかり演じれば面白い役だなと思いました」


――不良映画は、いつの時代にもある映画で、男の人なら一度は憧れる部分もあるのかなと思うのですが、柾木さんが憧れる強い男性像とか、こうなりたいっていう人はいますか?

「こうなりたい、というのではないんですが、僕は窪塚洋介さんが凄く好きです。だから、喧嘩をするような役もやってみたかったんです。窪塚さんもこういう役をやられることがあったので。窪塚さんはインテリ系の役もヤンキーの役も演じられていて、凄いなって思います。僕はヤンキー役はやりづらかったですけど(笑)」


――バットをかなり振り回している姿は、狂っているなという印象がありましたが、演じている時は、冷静にやっているのか、本気で狂うようにやっているのか…。

「狂うようなシーンは、本気で狂うようにやってます。どう狂うかとか、ここでどう動くとかは考えないです。どうなるかはわからないですね。本番まで」


――そのやり方について、監督からそれはいい、ダメって言われたりはしませんでしたか?

「監督からは、特に何も言われなかったです。なので、自分の好きなようにやっていたというか、自分が思うやり方と、監督が思っているやり方が上手く合えばいいねっていうことを、最初におっしゃってました。だから、僕が好きなようにやってました」


――なるほど(笑)。今後もヤンキー役をやることもあると思いますが?

「やりにくさはありましたが、ヤンキー役は楽しかったです。やってみたかったっていう気持ちもあるし、今しか出来ないっていうのもそうですし。楽しかったんで、またやりたいです(笑)」


――では、映画以外のお話も少しお伺いしたいと思います。まず、そもそも芸能界に入ったきっかけというのはなんだったのでしょう?

「僕の場合は、兄がいるんですが、その兄夫婦がJUNONスーパーボーイコンテストに書類を送ったのが、最初のきっかけです。俳優になりたいって強く思うようになったのは、この業界に入ってからですね。その時は、本当に自分でもよくわからないまま事が進んでいた感じで。コンテストに出て、知らない間にファイナリストになって、気づけば事務所に入り。東京に来て、いろんな仕事をしていく中で、悔しい思いをすることが多くて。とにかく、上京したてのころは悔しかったっていうのを覚えてます。先輩方に色々とアドバイスを頂くんですけど、たまに、それに対して悔しいと思う時もあったり…。だから、それを否定しているわけじゃなくて、もっと上に行きたいなっていうか。あとは、舞台とか終えた後には一緒にやっている人たちのレベルを超えたいって思ってました」


――自分に厳しいタイプですか?

「いや、そんなことないです。割と自分に甘えて生きてきました(笑)。仕事をしていく上での向上心という面では自分に厳しいかもしれないです。ただ、僕凄く忘れ物をするんですけど、何度も忘れ物をしちゃうし、朝起きれなかったりとか、そういうところは自分に甘いなって思います。いち大人として絶対やらなきゃいけないことが、できてないっていうか(苦笑)」


――では、俳優を目指す前は、何かなりたいものはあったんですか?

「昔は、将来、小学校の先生になりたかったです。小6くらいの時から思ってました」


――そのコンテストに受かったのはおいくつの時ですか?

「中3の14歳の時ですね」


――俳優か教師かで、その時、悩みませんでしたか?

「僕は俳優になっても絶対に売れないっていうか、仕事なんてないって思っていました。ネガティブなのかわからないですが、僕はとりあえずコンテスト後も高校へ向けての勉強はちゃんとやりました。この仕事と決め込んで、東京へ行くとかではなくて、僕は高校を卒業したら行けばいいかなって。だから、逆にこの仕事のほうを軽く考えてましたね」


――俳優1本にはならないと思っていたんですか?

「そうですね。その時は、どうせ僕なんかはっていう気持ちがあったので。教師になるために大学に行くことも中3には決めてて。そのために、どの高校に入るかっていうのも決めて高校も受けました」


――では、まさか東京に来てこうなるとは思っていなかった?

「思ってなかったですね」


――不思議な縁ですね。

「そうですね。それと、かなり事務所のおかげだと思います。事務所のサポートがなければ僕はこの仕事を続けられていないと思います。最初のきっかけは兄と兄の奥さんですけど、そのあとは、オーディションとか東京にくる面で色々とお世話になった事務所のおかげっていうのは大きいですね」


――今度、舞台『移動するプリズン』にも出演されるということですが、今は稽古中ですか?

「はい。稽古中ですね」


――これまでも舞台は経験されているとは思いますが、慣れたところ、慣れないところなどありますか?

「舞台自体が1年ぶりくらいなんですが、緊張しますね。劇団スパイスガーデンの舞台を今まで2公演見ていたんですが、この人達とやれるっていう嬉しさと、プレッシャーがあります」


――今回演じるキャラクターはどんな役柄になるんですか?

「僕は頭のいい怪盗・エル役です。コンボイという護送係と犯人の話で、護送経験のない、できの悪い4人のコンボイとエリートの新人コンボイ1人がトラックの中にいて、犯人・怪盗エルを見張ってるんです。彼らがエルという怪盗を捕まえることができるのか、逃がしてしまうのかというストーリーです。だから、エルとコンボイ、どっちが勝つのかっていう話ですね」


――クールなキャラクターなんですか?

「そうですね。でも、僕は本当はダメなコンボイ役のような、アホな役をやりたかったんですけど(笑)」


――あと、今回の劇場、千本桜ホールは、きっとお客さんとの距離が近いですよね。そうすると、今までにない緊張もあると思いますが。

「はい。でも、逆に楽しみですね。大きい舞台でやるよりも楽しいと思います。大きい舞台も興奮するけど、伝えたいことが1番前のお客さんと、1番後ろのお客さんとだと違うと思うので。でも、100人くらいのキャパなら、全体に同じくらいのことが伝わるんじゃないかと思います」


――今後、こういう役者になりたいとか目標はありますか?

「特に、こうなりたいっていう人とか、やってみたい役というのが今は具体的にはないんですけど。狂ってみたいですね(笑)。上手く出来たかどうかはわからないけど、今回のヤンキー役がとても楽しかったんです。自分なりにはまだまだだなと感じたんですけど、また、こういう役をやってみたいです」


『ガチバンZ 代理戦争』

監督/元木隆史
出演/柾木玲弥 鈴之助 加藤諒 上鶴徹 鈴木身来 井上翔 松本紘史郎 松浦祐也 やべきょうすけ ほか
配給/AMGエンタテインメント

番長不在の衣笠高校に、北関東愚連隊“飛羅睨悪”(ピラニア)の狂犬ヤンキー・渋若剛毅(柾木玲弥)が金属バットを片手にひとりで殴り込んできた。誰も彼を止めることができず、困った後輩たちは衣笠の幻のヤンキー・出口大河(松浦祐也)と飛羅睨悪の初代総長・天野光圀(やべきょうすけ)、流浪のビジネスヤンキー・吉田義男(鈴之助)に助っ人を依頼する。すると、そこで剛毅の知られざる過去が明らかになっていく。果たして、彼らは剛毅を倒すことができるのか?

11月9日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷限定ロードショー
http://ameblo.jp/gachi-ultimatum/
©2013 AMGエンタテインメント


『移動するプリズン』

作・演出/徳尾浩司(とくお組)
出演/栗原寛孝 松尾英太郎 山中雄輔 飯田隆裕 柾木玲弥 戸塚純貴 黒川将夫

10月29日(火)~11月3日(日)千本桜ホール
http://atmovie.tv/spaga/news/p85.php

2021年12月
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