ミスセブンティーン2011にてグランプリを受賞し専属モデルとして活躍中の中条あやみが、演技に初挑戦! ドラマ『黒の女教師』の梅原優役で出演中だ。自分からアピールして前に出ることが苦手で言葉数は少ないが、芯はしっかりと持ち、やる時はやるという役柄。第8話『最終章~教師の秘密副校長の愛に愚か者』の回では、中条演じる優が校則では禁止されているファッション雑誌に載ったことで停学処分を受けてしまう。しかし実はその裏にもうひとつの事件が隠されており、問題の渦中の人として注目を浴びた。このインタビューは第8話の収録前に行なわれたため、残念ながらその時の様子を聞くことは出来なかったが、初めてのお芝居にどう挑んでいるのかなど話してもらった。
撮影/吉田将史 文/今津三奈
――今まで色んなインタビューを受けたと思いますが、お芝居についてのインタビュー初めてですか?
「はい。これまでのインタビューは、好きな男性のタイプや好きな食べ物などについて聞かれることが多かったです」
――ドラマの時は髪を結び眼鏡姿で大人しいイメージ。今日の姿とは随分違いますね。ご自身が出演するドラマを見た感想は?
「初めての演技なので、まだ役の入り方もちゃんとわかってないですし、まだまだだなと思うところがいっぱいあります。でも、現場はとても楽しいです」
――現場には同世代の方がたくさんいますね。どんな話をするんですか?
「誰がかっこいい? なんて話をすることもあれば、視聴率の話をしたり(笑)」
――視聴率を気にしているんですね。
「オリンピックで夜中になってしまった回は、『ああ、下がっちゃった』とか。そのほか、セブンティーンの先輩と一緒にいせさて頂くことが多いので、雑誌のことやセブンティーンの学園祭でどんな衣裳を着るのか…なんて話をしたりしてます」
――お芝居のことを誰かに相談することはありますか?
「西井幸人君(杉本順平役)とふたりのシーンが多かったので、西井幸人君に聞いてもらいました。どのシーンだったか忘れてしまいましたが、『どうしたらいいのかな?』とつぶやいたら『ここはこういう役だから、こうしたらいいんじゃない?』と教えてくれて」
――榮倉奈々さん(高倉夕子役)、市川実日子さん(内田すみれ役)、小林聡美さん(藤井彩役)など先輩女優さんと話す機会はありましたか?
「第3話で黒の女教師にお金を渡すシーンがありました。その時大先輩達を目の前にしたら緊張しまくっちゃってガチガチになってしまったんです。そしたら、みなさんが話しかけ下さり、そのお陰で緊張が解けて…」
――どんなことを話して下さったんですか?
「榮倉さんは『セブンティーンだよね!?』と和む話をして下さったし、市川さんは、私が大先輩3人を前にしてセリフを言う時、目線をどこに置いたらいいのかわからずキョロキョロしてたら『どこか一点を見つめたらいいよ』とアドバイスを下さいました。小林さんは、私がセリフを忘れてしまってNGを出したあと、小林さんも釣られて!? セリフを間違えてしまって。そしたら『ほらー(笑)』とおちゃめな感じでおっしゃって、緊張がなくなりました」
――今回初めて役を頂きました。この役をやるにあたって、どんな準備をしましたか?
「事務所で映画のDVDとその台本とを借りました。まず映画を観て、次に台本を読みながら、“ここはこんな感じで言うのかな? ”という感じで勉強しました」
――先輩が出ている映画の台本ですか? 作品は何ですか?
「最初は『恋空』、その次に『ソラニン』です」
――そのお芝居の練習は誰かに観てもらったんですか?
「観てもらうことは勇気がなくて。なので、家でひとりでやりました」
――上手くやれた感じはありましたか?
「それだけでは足りないなと思いますが、少しは変わったかな…」
――『黒の女教師』の台本はどんな風に読み進めて行きましたか?
「まずは最初から最後まであらすじを知る感じで読みました。そして次は梅原優ちゃんという女の子がどんな子なのか理解したいので何回か読んだんですが、台本にはそういう深いことは書いてないので、詳しいことはよくわからなくて。でも、自分なりに役柄はつかめて、恥ずかしがり屋の役なので、それになりきろうと。私も恥ずかしがり屋なので、それを出せるようにしました」
――優はなぜ恥ずかしがり屋なんだと思いましたか?
「目立ちたくないんだと思うんです。最初も本で顔を隠すし。でも3話では自分でお金を払いに行く勇気があるし、自分の思っていることはしっかり言える子なんだなと」
――優は話すことが苦手な女の子だからセリフは少なく、その替わり表情や身体でのお芝居が多かったですね。
「身体だけでは伝わりづらいと思ったので、ちょっと大げさかなと思うくらいの感じでやらなきゃダメかなと思いながら、でも、自分ならこういう時はこうするだろうというのを考えて、自然に見えるように頑張りました」
――監督などに相談しましたか?
「まずはお芝居を見て頂いて、アドバイスを頂き、その通りに出来るように心がけました」
――監督に言われたことで印象に残っていることはありますか?
「3話の時、結構メインになったんですが、1回撮ったあとに監督さんが直々に横まで来てアドバイスして下さいました。杉本君は何もやってないと訴えてお金を渡すシーンで、『優ちゃんは杉本君が本当にかわいそうで助けてやりたいと思ってるんだよ。だから、今までに感じた悔しい気持ちを全部出してやってみて。泣いてもいいから』と。その時は一生懸命やって『カット! OK!』となったんですが、本当にこれでよかったのかな…と現場が終わってから思いました。悔しい想いが残ってます」
――直後は悔しい想いがあったかもしれませんが、実際にオンエアを観てどうでしたか?
「恥ずかしかったし、お芝居も悔しいままだったけど、メインになる8話で頑張ろうと思いました」
――ちなみに、監督からアドバイスがあった今までの悔しいことは、何を思い出しましたか?
「お母さんとケンカした時のことです。あることで怒られたのだけど、本当はそういうつもりじゃなかったのに…と、私の気持ちがちゃんと伝わらなかった悔しさを思い出しました。だからダメだったのかな!?(笑)」
――(笑)。これから8話に向けて、どんな準備をしましょうか?
「滑舌が悪い、喋りの遅さが演技に出ていると事務所の方から指摘があったので、それは直そうと。ちゃんと出来るように頑張ります」
――3話で悔しかった部分を8話でリベンジですね。
「はい。頑張ります。私ってバカポジティブなんです。頑張れば出来ると思うので大丈夫です」
――まだ若くて人生の経験も少ないから、感情などを想像するのは難しいですよね。
「日常で色んな場面を見ますが、人の表情を興味深く見るようにしてます」
――ちなみにモノマネは得意ですか?
「よくやるんですけど、上手くないんです」
――やろうとするチャレンジ魂はあるんですね。
「最近はローラさんのモノマネにハマっていたんですけど、広瀬アリスちゃん(佐伯江衣花役)がすっごく上手くて。こりゃ出せないなと封印したところです。今日もスギちゃんのモノマネをしてきたんですけど…(笑)」
――モデルの仕事を先に始めてますが、元々女優さんの仕事にも興味があったんですか?
「最初は、まずはセブンティーンのモデルを頑張ろうとやっていたんですけど、事務所の先輩の香里奈さんもモデルと女優を両立されていて。それを見て私も香里奈さんみたいになりたいなと思いました」
――リアルに高校生ですが、学校ではどんな子なんですか?
「よく『おとなしくて、お嬢様で、バカなことはしない人だと思っていたけど、全然違うね』と言われます。実際はバカなこともするし、がさつだけど、そういうところが好きと。でも、そう言ってもらえるのは今だけですよね。そのうち怒られると思います(笑)」
――特技はバイオリン、ピアノ。確かにお嬢様っぽいです。
「父がバイオリン、祖母がピアノを弾けるのでやらせたかったみたいです。でも私自身小さい時から楽器が好きで、家にギター、ピアノ、バイオリン、フルートがあるのでやってました」
――全部やるんですか?
「暇があったらいじってました。中学校の時はバイオリンとピアノを習っていたんですけど、受験勉強で辞めてしまって。そこからやってません」
――そういう経験がお芝居に生きる日がきますね。
「4話でピアノを弾くのシーンがあったんですけど、そのシーン、私がやりたかったです(笑)」
――今回のドラマは常識では考えられない先生、ある意味とても頼りになる先生が出てきますけど、これまで印象に残っている先生はいますか?
「中学3年の時の先生が結構好きでした。普通の感覚と少し違って、普段怒らないくせに、そこで怒る? というところで怒る面白い先生で。今行っている高校もその先生が勧めてくれたんですが、凄く気に入っています。先生のお陰で楽しい高校生活を送れています」
――ところで、これまでに観た作品で好きな役者さん、作品などありましたか?
「これまでは洋画や海外ドラマばかり見ていました。映画は『トワイライト』シリーズが大好き! 2で初めて『トワイライト』の存在を知って、その時は映画館で観て、映画館に行く前に1を2回DVDで見て、2を観たあとにもう1回1を見たほどです。今第4弾のパートⅡまで出てますが、それぞれ3回以上見てます。あとは『スタンドバイミー』。ドラマは『グリー』が好きです」
――年末に『トワイライト』の完結編、『トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーン Part2』がありますね。
「そうなんです。もう楽しみで楽しみで。前売りを買うとポスターがついてくるので、それも楽しみです。クリステン・スチュワートがかわいくて好きだし、自然な演技もいいですね」
――日本の映画やドラマで印象に残っているものはありますか?
「『ソラニン』で感動しました。宮﨑あおいさんが凄いなって。ギターを弾くシーンとか、あそこまで弾けるまでに何回も練習しているんですよね。そういった情熱も凄いなと思いました。私もそのくらいお芝居に取り組み、演技が出来たら凄く楽しいだろうなと思います」
――これから色んな役に挑戦出来ますね。
「そうですね。髪の毛をばっさり切ったり、外見的に変えることもやってみたいし、危ない人みたな役もやってみたいです」
――かわいく綺麗に映るよりも、そっちを取りますか?
「観て感動してもらえるような演技をしたいので。そんな演技はまだまだ出来ませんが、そういう役が出来たらいいなと思います」
脚本/山下友弘
演出/岡本信吾
演出/石井康晴
プロデュース/伊與田英徳
出演者/榮倉奈々 木村文乃 市川実日子 小林聡美 ほか
TBS系にて毎週金曜22時~放送中
http://www.tbs.co.jp/kuro-no-onna/
都立高校で生物の教師であり進路指導を担当する高倉夕子(榮倉奈々)は、昼はとても優れた普通の教師で授業以外では生徒とかかわらずクールに接するが、夜は生徒らが抱える難しい問題をなんでも解決してしまう頼りがいのある教師。ただし、問題を解決するためには手荒いこともいとわず、助けを求める生徒にお金を要求することもある。その夕子とともに問題解決にあたるのは、古典教師の内田すみれ(市川実日子)と美術教師の藤井彩(小林聡美)だ。そんな3人の元には様々な生徒達がやってくる…。