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EDITOR'S DIARY
綾野剛 写真集『胎響』重版記念! 写真家・平間至が、『胎響』そして被写体・綾野剛について語る貴重なインタビュー!
プラスアクト (2014年02月07日 18:30) |




 綾野剛初となる本格写真集『胎響』は、母なる大地と一人(ひとつ)の命・魂をテーマに青森で撮影した作品。写真家・平間至が、綾野の今まで見たことのない表情や感情、在り方を写し出し、彼の喜怒哀楽が凝縮された1冊だ。
昨年3月の発売以降、ファンのみならず、ひとつの芸術作品としてカメラやアートファンなど各方面からも注目されたこの写真集の重版が2月に決定。編集部は早速撮影を担当した写真家・平間至氏を訪問し、その喜びを伝えた。すると、平間は「ずっと話したいことがあった」と呟き、改めて『胎響』そして被写体・綾野剛について語り始めた。



――この度、平間さんに撮影して頂いた写真集『胎響』が重版されることになりました。

「僕のイメージなのですが、タレントさんや俳優さんの写真集で、継続的にじわじわとお客さんに届く物は少ないと思います。もちろん今、綾野君がドラマ『S -最後の警官-』などで頑張っている、活躍されているってことがその一因として大きいんですけど。今回、役者さんのスタンダードな写真集とは全く違うコンセプトやアプローチで攻めた……ある意味勝負に出た結果、このような機会を迎えられたことは、僕にとっても凄く嬉しいことです」

――以前、この写真集が出来た時には「今までに見たことのない写真集が出来てしまった」とおっしゃっていましたね。写真集の表紙(カバーを取った面)の足の写真も、普通ではなかなかチョイス出来ないカットだと思います。

「そうですね。僕の勝手な印象なのですが、写真集や本が売れていた時代には、結構色んなことに挑戦したり、実験を試みたりしていた気がします。僕は、当時はあまりいい結果が出せなかった記憶がありますが、今になって、いわば厳しい状況の中、この写真集のように“挑んだ”作品を評価して頂いたことはありがたいと思っています」

――被写体である綾野剛さんについてお聞きしたいのですが、平間さん自身、綾野さんにお会いしてどのように感じましたか?

「普段、僕が俳優さんを撮る時は、その人を“かっこよく撮ってあげよう”とか、“綺麗に撮ってあげよう”という想いがまずあります。だけど、今回の綾野君の場合は、いい意味でそれがなかったんです。それは、彼が今回の企画に関して、表現者として嘘偽りなく真っ直ぐに向き合おうとしていたからです。だから、『胎響』の撮影では、綾野君と僕が本当に周りのスタッフに支えられながら、手加減することなく、真っ向から勝負が出来た。それが凄く良かったのかなって思います。そういう意味では、現場で気を使わずぶつかり合えたんです」

――たしかに、綾野さんの表情や自然の一部になっているような写真からは、いわゆるキメカット等とは違ったものを感じます。現場では平間さんと綾野さんの凄まじいフォトセッションがあったんですね。

「そうですね。でも、撮影をする前は、僕も不安な部分がありました。それは、いい役者さんが写真の中でいい被写体であるとは限らないからです。役者さんて、劇中でいかに“芝居が出来るか”を考える訳じゃないですか。しかし写真は、演じてしまうとバレるんですよ。極端に言えば嘘をついているということが」

――なるほど。

「だからドラマや映画の中では、役を演じることが必要なことなんですけど、写真の中で演技をしてしまうと、リアルは写らず“演技”が見えてしまいます。そしてそれは、すぐに伝わってしまう。わかりやすい例で言うと、映画のスチール写真って、“あの映画の劇中・場面写真だ”って見た瞬間にすぐわかりますよね? 例えばそこに詳しい説明がなくても。僕が思うに、それは役柄としての役者を見た人が直感的に理解するからなんです。写真は嘘をつけない分野。そういう視点から考えた時に、綾野君は、演者である時に非常によく考えて、体を張って“演じている”人だったから、そこが今回のようなコンセプトで撮影する場合、マイナスに働くのではないかと少し心配だったのです。だけど、実際はそんな不安は全くなく、魂と魂がぶつかり合えました。それと、撮影場所が大きかった。自然というよりもひとつの場の中で、ふたりが対峙し合った。そこも結構大きかったなと思います」

――生命力を強く感じる大自然でしたね。写真集の中でも、沼で撮影された写真が印象的でした。

「あの沼の水は、あまりにも冷たく透明で。“純粋な水”でした。普通、ピュアって聞くと、“弱い”をイメージするじゃないですか。だけど本当のピュアさっていうのは“凄味”なんだっていうことを水から感じたし、その“凄味”とは綾野剛そのものなんじゃないかなって思ったんです」

――自然の凄さ、力強さについて綾野さんもインタビューで語っていましたが、水ひとつとってもそういう状況だったんですね。

「『目で見えている情報を疑って感覚を頼りにする』と、写真集にも書いてありますが、自分が写真を本気で撮る時は、なるべく目だけに頼りたくないと思っています。写真は“視覚芸術”であり、視覚というのは勿論理解するきっかけになります。だけど、視覚に頼り過ぎてしまうと、見る人には目で見た情報しか伝えることが出来ません。だからこちらが視覚以上の感覚を持って撮影すれば、見る人に視覚情報だけではなく、撮っている人の感情や、場所の空気感とか、更なる何かを伝えることが出来る。僕はそういう意識で撮り続けたいと思っています。今回は被写体である綾野君も、感じたことをちゃんと身体で表現してくれて、そこに僕の意識が掛け合わさったんじゃないかな、と。僕は過去に、田中泯さんを被写体にした『場踊り』というシリーズで、既にそういう感覚を味わっていましたが、この写真集では、綾野君が役者として普段心がけている部分と、僕が大切にしていたことが、上手くバシっとハマったんでしょうね」

――平間さんほどの長いキャリアの中で、あのタイミングで、綾野剛という被写体と出会ったことで触発された部分はありますか?

「挑戦し続けること、ですね。あと、表現者としての誠実さ。僕に対して真正面からありのままの身体と心で向き合ってくれていたし、撮影場所に対してもそうでした。僕も僕なりにどんな仕事でも誠実にやっているつもりですが、彼はそれ以上に全作品へその姿勢を持って挑んでいるんだと思います。身体を張って頑張っているなと感じますね。僕のような年齢の人間から見たら、若い俳優さんの中で、これだけ本気で立ち向かっている人がいるのは凄く嬉しいことです。『胎響』公式twitterでも話したことがあるのですが、『人間としての美しさと獣としての美しさ』というのが、綾野君には両方あると思っています。改めて写真集を見ていて思ったのは、綾野君の魂が人間になったり獣になったり、時には精霊のようになったり…。それで、最後の最後は鬼になったのかなって。人間の可能性って言うよりも、魂の多様性というのを、この『胎響』の中では表現出来たんじゃないかと思います」

――写真集を読み進めていく中で、最後の方は鬼気迫る姿に人とは違う生き物に転生する様を見たように感じました。周りからの反響はありましたか?

「実は凄く嬉しいことがありました。知り合いから聞いたんですけど、『発売当時と今放送中のドラマを見終わった直後にめくる“胎響”は、印象が違っていて面白い』と。興味深い言葉です」

――それは面白い感想ですね。

「はい。この写真集が発売された当時と違って見える。それが、面白かった。だから綾野君が今後色んな役をやって成長していくにつれて、この写真集も、もしかすると見え方が変化するのかもしれない。写真集ってどうしても一度見たら仕舞いっ放しになったりするけど、この写真集は違うのかもしれない。もしかしたら綾野君自身も、40、50歳になった時に改めて『胎響』を見たら、“あれ? これは!”と、新たな感覚を持てるかもしれない。そんな1冊なんじゃないかな」

――綾野さんの魂が写真集に息づいているんでしょうね。

「その瞬間、一瞬を本気で頑張ったから、逆に永遠性とか普遍性があるのかもしれません。瞬間に懸けたからこそ、流行のサイクルにはきっと当てはまらない。だから、綾野さんと一緒にこの写真集も生きて行くのでしょうね。凄いですね」

――凄いです。もしかしたら、見る側の成長をも影響してくる写真集なのかもしれません。

「この写真集には、綾野剛の真実の姿、本当に赤裸々な魂が写っている。それは確かに受け取る側のタイミングに影響するでしょうし、綾野剛という人間の“命”までをもじっくりと感じることが出来る。そして、きっと、役者としての綾野剛の成長=彼がドラマや映画に出演する度に見返すと、その前に開いた時とは違った姿が見えてくるような、そんな写真集です」



 最後に平間はこの写真集に対して、「自分が好きな作品だからこそ、こうやって話したいんです」と語った。撮影時のことを振り返り、当時感じた想いと改めて見えた写真集の深奥について、言葉を選びながら自分自身も噛み締めるように語った。表現者・綾野剛と写真家・平間至の純粋な魂が収められた『胎響』は、今もなお呼吸を続け、見るものの心を揺さぶり続けている。
綾野は、現在放送されているドラマ『S -最後の警官-』『闇金ウシジマくん Season2』に加えて映画『白ゆき姫殺人事件』『そこのみにて輝く』『ルパン三世』、舞台『太陽2068』など出演作が目白押し。それぞれの作品の中でどのような表情を見せてくれるのか期待すると同時に、今回のインタビューを踏まえれば、綾野とともに成長していくともいえる『胎響』の“世界”が、どう色付いていくのか…楽しみでならない。
現在、重版記念特典企画としてワニブックス通販サイトと対象書店、綾野剛モバイルでご購入いただいた方に期間限定で「未掲載カット/ポストカード」をプレゼントしている。まだ『胎響』の音を聴いていない方々には、是非この機会に写真集を手にとって頂きたい。

綾野剛 写真集『胎響』 発売中!!
撮影:平間至 定価:2500円+税  A4ワイド判/ハードカバー/計112頁

☆重版記念・期間限定特典企画に関する詳細は、ワニブックスHPをご確認下さい。こちら→http://www.wani.co.jp/event.php?id=4159&key=800

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